このご時世にハイブリッドが消滅してガソリン車が残った! 日産スカイライン「謎の選択」の裏 (2/2ページ)

ガソリンターボが生き残るという保証もない

 では、ターボエンジンが残っているという状況はなぜなのだろう。

 次期スカイラインが純エンジン車だけのラインアップになるとは考えづらいが、現行スカイラインを生産している日産自動車・栃木工場で新型フェアレディZが生産されることを考えると、V6ターボエンジンの供給が継続するということである。そうした背景から、ひとまずV6ターボが残るということなのだろう。

 実際、冒頭で記した文言を日本語的に解釈すると、HV、V6ターボともに予定販売数量が設定されていて、HVが先行して予定の台数に達したという風にも読める。そうであれば、V6ターボがこのまま残るという話ではないかもしれない。

 なお、スカイラインのHVシステムは日産が推しているe-POWERとは異なるもので、いわゆる旧世代となっている。次世代の電動化においてはゼロベースで見直される可能性が高い。つまり、いったん整理するインセンティブがあるといえる。

 ところで、現行スカイラインの誕生が2014年であること、前述したようにモデル鮮度を高める方向であることを考えると、スカイラインのモデルチェンジが近づいているというのは明確だ。

 4年スパンでフルモデルチェンジするならば、いったんプラグインハイブリッドを挟んで、その次のモデルで100%電気自動車になることもあり得るのではないだろうか。

 いずれにしても、現行スカイラインがこのまま数年レベルで作られるということは考えづらく、スカイラインHVの販売終了のアナウンスは、フルモデルチェンジに向けての準備が進んでいると理解すべきだろうし、ファンであれば期待していることだろう。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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