計算してみたら衝撃の金額でぶっ飛んだ! 伊藤かずえさんの「シーマレストア」を普通にやったらいくらかかるのか (2/2ページ)

1500万円を超えることが推測できる!

 さらにここに部品代がかかる。細かい部分だけでなく、エンジンやミッションもオーバーホールしているし、塗料などの材料代や油脂類代も入れるとので200万円ぐらいか。300万円でも不思議ではないほどだ。シートベルトなど、絶版部品はパーツメーカーの協力のもとで新品にしたとのことだが、これは一般的ではないので計算しない。ただ、一般のレストアで絶版部品の壁にぶち当たると、中古良品を探さねばならず、昨今は程度がそこそこでも高額だったりするので、そうなるとレストア代を圧迫する。

 合計すると1500万円を超え、2000万円はいかないにしても高額なのは確かだ。これは有名人のクルマだからとか、日産が手掛けたからというのはまったく関係ない、単純計算の結果。要はレストアをまじめにやると、これだけかかるということ。シーマについてはベース車としての程度は悪くないということだったので、これで収まったとも言える。レストアはとにかく手間がかかる作業で、それゆえ、手抜きやゴマカシが横行することになる。いつも言っているが、費用はもらうにしても他人のクルマを真剣にやる業者はマレと言っていい。

 ただ、悪徳業者と言ってしまうのは簡単だが、8カ月で1400万円の売り上げにしかならないとも言える。1年で2000万円にしかならないわけで、それでは工場の経営は成り立たない。実際、レストア作業をしたとしても高くなりすぎて全部を請求はできないという嘆きも聞こえる。だからレストアお断りという整備工場や板金塗装工場はけっこう多い。よくフルレストア済みで300万円といったクルマを見かけるが(旧車高騰で減ってしまったが)、よくよく計算してみれば成り立たないことはすぐにわかる。買ってだまされたという声も聞くが、計算すればすぐにわかることではある。


近藤暁史 KONDO AKIHUMI

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愛車
フィアット500(ヌウォーバ)/フィアット・プント/その他、バイク6台
趣味
レストア、鉄道模型(9mmナロー)、パンクロック観賞
好きな有名人
遠藤ミチロウ、岡江久美子

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