直6+FRを蘇らせたマツダに拍手! CX-60はメカニズムも質感も想像を超えたSUVだった! (2/2ページ)

プレミアムブランド顔負けの絶品インテリア

「プレミアムスポーツ」は、タンとブラックを基調としてキルティングを施したナッパレザーのほか、インパネデコレーションパネルやドアトリムにセーレン社製のスエード調人工皮革「レガーヌ」を使用。ドアトリムやセンターコンソールの加飾はマットブラックのヘアライン仕上げとなっており、イタリア製のスーパーカーや超高級車顔負けのスポーティな色気を醸し出している。

 自然がもたらす変化に美を見出し、きめ細やかにしつらえる日本人の精神を表現したという「プレミアムモダン」のインテリアは、ピュアホワイトを基調として、パーフォレーション(パンチング加工)入りのナッパレザーのほか、不規則な柄や表情を持つ専用の織物「ルーセントクロス」をインパネデコレーションパネルやドアトリムに採用。

 なかでもインパネデコレーションパネルには掛縫いが中央に入ることで、より一層「和」のテイストが強調されている。さらに、ドアトリムやセンターコンソールの加飾にはメープル(楓)の本杢が用いられ、ここでも心地良いゆらぎが表現されている。

 この「プレミアムモダン」のインテリアは、実車を見ると大量生産の工業製品とは思えないほど上品かつ豪奢な設えで、それでいながら手作りの製品では得られない精緻さも併せ持つ。そのクオリティにはただただ感嘆するよりほかにない。

 走りのメカニズムに関しては、中谷明彦さんによるプロトタイプの試乗記に詳細が記されているので、ここでは概要のみの紹介に留めるが、シャシーももちろん新開発で、サスペンションはフロントがダブルウイッシュボーン式、リヤがマルチリンク式。

 なお、リヤサスペンションにはロードスターと同様に、制動時に車体を引き下げるアンチリフトジオメトリーが付けられている。そして、このアンチリフトジオメトリーを活かしつつ、横Gが強めにかかる旋回中にリヤ内輪側へわずかにブレーキをかけることで、ロール量を抑える「キネマティック・ポスチャー・コントロール(KPC)」もロードスターに続いて実装されている。

 シートはマツダ3やCX-30の「スモール・アーキテクチャー」よりもさらに進化。前後左右のGに対して乗員がバランスを取りやすいよう、骨盤を立たせるサポート構造が採用されたうえ、クッションバネとウレタンもクルマからのフィードバックを感じやすい特性が与えられているため、ドライバーがクルマを意のままに操れるのはもちろん、同乗者もクルマの動きに振りまわされることなくドライブを楽しめるという。

 予防安全技術も一段と進化している。ドライバーの発作・急病などの異常を検知し事故の回避・被害軽減を支援する「ドライバー異常時対応システム」(DEA)や、前進時左右接近物検知機能、自転車と歩行者に対応する「交差点事故回避アシスト」を、マツダで初めて採用。

 また、ディーラーオプションの電子キーでドアロックを解錠した際、低速走行時にアクセルペダルが強く踏み込まれると、パワートレインの出力を抑えて急加速を防ぐ「ドライビングサポートプラス」(DSP)を新たに設定した。その他の制御も作動領域を拡大するなど、機能の充実が図られている。

 加えて、適切なドライビングポジションの設定をサポートする「ドライバー・パーソナライゼーション・システム」が「エクスクルーシブモード」以上のグレードに用意されたのも、大きなトピックだろう。

 このほかにもさまざまな新技術や新機軸が満載されたCX-60は、まず「e-SKYACTIV D」搭載車が2022年9月に発売され、その他のモデルは12月より販売開始される予定となっている。いち早く手に入れたいならば、6月24日からスタートしている受注予約のタイミングを逃す手はない!


遠藤正賢 ENDO MASAKATSU

自動車・業界ジャーナリスト/編集

愛車
ホンダS2000(2003年式)
趣味
ゲーム
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