クラウンファミリーの先陣を切る「クロスオーバー」はSUVにあらず! 新ジャンル「リフトアップセダン」の正体とは (1/2ページ)

この記事をまとめると

■新型クラウンの先陣を切るクロスオーバーはリフトアップセダンというイメージ

■2.5リッター直4+モーターと2.4リッターターボ+モーターの2種類のハイブリッドを用意

■クラウンクロスオーバーの価格は435万~640万円となる

先陣を切って発売されるクラウンクロスオーバー

 既報の通り、トヨタのセダンカテゴリーにおけるフラッグシップだった「クラウン」が、4つのバリエーションを持つ、フラッグシップブランドとして生まれ変わった。

 あらためて「クラウン」というブランドの流れを整理すると、1955年に待望の国産乗用車として生まれ、1980年代のバブル期には、1983年に生まれた「いつかはクラウン」というキャッチコピーのとおりに、多くの大衆にとって憧れのモデルへとなり、全盛期を迎える。

 一方で、1989年にセルシオ(海外では初代レクサスLS)が誕生すると、フラッグシップセダンとしての地位を失う。その後、2005年にレクサスが日本導入されたことでトヨタ・ブランドのフラッグシップセダンという冠はクラウンに帰ってきたが、2010年代後半からショーファードリブンとしての地位をアルファードに奪われるなど、往年の勢いを取り戻せないまま、クラウンの販売は右肩下がりとなっていた。

 このままではクラウンという名前は消滅してしまう。そんな危機感が、新型クラウンにおける4車型の同時発表いうドラスティックな変革につながった。そして新型クラウンの発売は2022年秋ということだが、4つのバリエーションは時間差を置いてローンチされる。

 先陣を切るのが、クラウンクロスオーバーである。

 次期クラウンはSUVになる、そんな噂が流れていたこともあり、また21インチの大径タイヤを履いていることから、背の高いクロスオーバーSUV的シルエットと感じてしまうかもしれないが、実物はSUVというイメージのシルエットではない。

 実際、ボディサイズは次のようになっている。

 全長:4930mm(+20mm)
全幅:1840mm(+40mm)
全高:1540mm(+95mm)
ホイールベース:2850mm(-70mm)
※()内は先代モデルとの差

 たしかに全高は増えているが、多くの機械式駐車場に収まる1550mm以下である点は守っている。もっとも全幅については1800mmを超えてしまったので、これまでギリギリでクラウンを駐車場に収めていたオーナーからすると失望ポイントかもしれないが……。

 新型クラウンクロスオーバーの最低地上高は145mmとなっている。多くのSUVが180mm以上を確保していることを考えると、クラウンクロスオーバーをSUVに分類するのは適切ではなさそうだ。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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スズキ・エブリイバン(DA17V・4型)/ホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SP(SC82)
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モトブログを作ること
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