トヨタの2ドアスペシャリティカー! 歴代トヨタ・スープラを振り返る (1/2ページ)

この記事をまとめると

■トヨタの2ドアクーペ、スープラを振り返る

■ルーツとなったセリカXXから現行型までを紹介

■クルマの基本性能を時代ごとに突き詰めたモデル

BMWとの共同開発で蘇った新型スープラ

17年ぶりに登場した新生スープラとは

 4代目の販売終了から17年、長い沈黙を経て復活した現行スープラ。パートナーとしてBMWと手を組み、開発はBMWとのコラボ、基本コンポーネントは同車のZ4と共用、搭載するエンジンはBMW製直6エンジン、車両製造はメルセデス・ベンツGクラスなどを作るマグナ・シュタイナー(オーストリア)が担うなど、歴代モデルとは大きくことなる工程で生み出されました。

 またもう一つことなるのが車名。2017年に生まれたトヨタのスポーツカーブランド『GR』初となる専売モデルとしてGRスープラと名付けられたのです。(ただしGRスープラは商品名で車種名はスープラのまま)

 スープラのボディサイズは全長4380mm、全幅1865mm、全高1295mm、ホイールベースが2470mm。先代からホイールベースが80mm短くなったことが大きな特徴といえるでしょう。

BMW製パワートレインを搭載

 現行スープラに用意されたパワーユニットは2種類。2リッター直4ターボエンジンと3リッター直6ターボエンジンで、いずれもBMW製のパワーユニットとなります。

 B58型3リッターエンジンは最高出力340ps、最大トルク51.0kg-m。3Lエンジンは2020年の一部改良により最高出力を387psに向上。これはエキゾーストマニホールドの変更やピストン形状を変えたことによるもので、同時にボディ剛性の向上やサスペンションのセッティングも改良されました。

 2リッターエンジンはチューニングが異なる2タイプ設定され、ハイパフォーマンスモデルの“SZ-R”は最高出力258ps、“SZ”は197ps 。“SZ-R”にはハイチューン仕様のためエンジンの圧縮比が抑えられています。

 いずれのパワーユニットにはスピーカーから補正音を出すアクティブサウンドデザインシステムにより、大排気量らしいエンジンサウンドが強調されているのが特徴。スポーツカーらしさをさらに演出しました。

 3リッター、2リッターエンジンともに組み合わされるトランスミッションはZF社製の8速AT。2リッターエンジン仕様には振動ダンパーが配備され大きなトルク変動に対応しています。

 また2022年には3リッター仕様にMTが設定されました。

スープラらしいロングノーズ+ショートキャビンのエクステリア

「これぞスープラ!」といったフォルムを採用した現行型。4代目のエクステリアと同様のロングノーズ+ショートキャビンのプロポーションにワイドトレッド、絞り込まれたキャビンなどピュアスポーツカーらしいエッセンスが施されたデザインとなっています。

 ただ、あまりにも絞り込まれたリヤフェンダーは量産に不向きな形状。開発陣自体、実際に生産できるか不安だったようですが、共同開発したBMWから可能だとのお墨付きをいただき実現に至ったそうです。

 またボディに配されたエアロパーツも走行中の揚力を抑えることを念頭にデザインされ、高い走行性能に寄与しています。

水平基調で構成されたインテリア

 エクステリアは先代のイメージを取り入れたデザインとなりましたが、インテリアは大きく変更されています。

 運転席まわりはドライバーを包み込むラウンド形状だった先代と比べ、現行モデルは水平基調へとチェンジ。今どきのスポーツカーらしく横長8.8インチディスプレイをインパネ中央上部に配置。タッチパネル操作も可能なディスプレイは横長パネルの構造を活かし左右分割して情報を表示することが可能です。

 ディスプレイにはナビゲーションシステムの表示はもちろん、先進支援システムや走行モード、はたまたエンジンオイルのチェックまで画面に表示することができます。

 ピュアスポーツにこだわる現行モデルには2シーターのみをラインナップ。後席が配置されていません。またラゲッジルームは燃料タンクを配置したことにより容量が少なかった先代とは違い大型のスーツケースの積載可能な容量を確保。大人2名が小旅行で困らない荷物を現行スープラは積むことが可能となりました。

仕様によるホイールサイズの違い

 先程説明したように現行スープラには2リッターと3リッターエンジンが用意されています。エンジンの仕様による異なるのがホイールで、ベーシックグレードの「SZ」には17インチアルミ、2リッターエンジンのハイパフォーマンスモデル「SZ-R」には18インチアルミ、そして3リッターモデルには19インチが用意されます。

ライバル車比較

 新型スープラのライバルとしてまず浮かぶのが日産フェアレディZ。7代目となる現行型は6月下旬に発売されたばかりですが、半導体不足などの影響により日産は受注の停止を発表。

 それでも最高出力405psを発揮する3リッターV6エンジンや2シーターレイアウトなどスープラと市場では真っ向勝負を挑む相手といえるでしょう。

 とはいえまだメディア向けの市場がテストコースで行われるなどの限られた情報しか伝えられないのが現状。走行性能など、ライバルとしての各種比較はもう少し先にならないとはっきりしません。

 となった場合、比較対象となるのがすでに市場に出回っている輸入車がその対象となります。数あるスポーツカーの中でスープラのライバルといえるのがポルシェ・718ケイマン。最大のライバルとなるのは間違いありません。

 全長4380mmのスープラに対して、718ケイマンは全長4385mm。エンジンはベース仕様の2リッター直4ターボが最高出力は300ps、最高速度は275km/Lと堂々たる性能を誇ります。

 また718ケイマンGT4は最高出力420psの4リッター水平対向6気筒エンジンを搭載しこちらは最高速度304km/L。ハイパフォーマンスモデルのGT4 RSは500psの同エンジンを積み最高速度は315km/Lと圧倒的性能を発揮します。

 GT4 RSとの性能差こそありますが、スープラと718ケイマンはライバルであることは間違いなし。今後、両車がそのように進化していくかを興味深く見ていきたいものです。


新着情報