雪道性能が上がったぶん夏が心配……は杞憂だった! グッドイヤーの新オールシーズンタイヤ「ベクター4シーズンGen3」を真夏のアスファルトでチェック (1/2ページ)

この記事をまとめると

■グッドイヤーのオールシーズンタイヤ「ベクター4シーズンGen3」に試乗

■サマーシーズンにおけるオールシーズンタイヤのパフォーマンスを確かめた

■オールシーズンタイヤとして夏冬の性能は十分なもので万能なタイヤだといえる

進化した雪上性能に対してサマー性能はどうか?

 2022年春、氷雪上試乗会が行われ、ベクター4シーズンGen3冬性能のパフォーマンスに大いに驚かされた。なにしろ、それまは「雪上も走れるけれど積極的には走りたいとは思わない」という印象だった。ところが「雪が降っても、それほど不安なく走ることができる」というくらいにまで進化していたのだ。

 雪の性能には驚かされたが、そこで気になるのがサマー性能。一般的に言えば、タイヤのゴムは温度に対する守備範囲がある程度決まっているので、夏から冬まですべてをカバーするゴムは存在しない。夏寄りなら冬の性能が厳しく、冬寄りなら夏が厳しくなってしまう。

 そんな不安に応えるように、グッドイヤーは、2022年8月某日ベクター4シーズンGen3(以下Gen3)及びベクター4シーズンGen3 SUV(以下Gen3 SUV)の試乗会が開催された。

 試乗でチェックすべきポイントは一点。あれだけ冬性能の良かったGen3とGen3 SUVが、夏にどれだけの性能を見せてくれるのか。

 正直なところ、冬の試乗でもゴムの柔軟性があり、ゴムが仕事をしている感触があった。夏は気温が高いぶん、ゴムの張りというか弾性がある程度落ちてしまうので、さらにゴムの柔さが出てしまうのではないか。そんなマイナスなイメージを持って試乗を始めたのだった。

 ところが、いざ走らせてみると普通に走ってくれるのだ。ゴムの柔軟性(≒エンベロープ特性)はサマータイヤよりも高いので、タイヤが路面を転がっていくときのタイヤの転動感に柔らかさはあるのだが、これが路面の細かな凹凸を吸収してくれ乗り心地の良さにもつながっている。加えてタイヤの静粛性の高さ(騒がしくないという意味で)もあって思いの他に快適なタイヤに仕上がっている。

 30度を超える気温、50度を超える路面温度のなかでも、ゴムの腰が抜けたようなグニャ感とか、そこからくるあいまいな操舵感というのは感じなかった。試乗会ではスラロームコースも作られていて操縦性のチェックをすることができた。

 Gen3と先代モデルの「ベクター フォーシーズンズ ハイブリッド」の比較だと、ハイブリッドはブロックの剛性感があり、歯切れがよく軽快な操縦感覚がある。これに対してGen3は、路面への当たりがマイルドでしなやかな印象。ノイズが少なく静粛性が高いのも特徴のひとつに挙げていいと思う。


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