マツダCX-60は「オーディオ」まで全力投球! 下位グレードの「純正システム」がすでにブッチギリで凄かった (2/2ページ)

フラッグシップSUVにふさわしいこだわりを極めた音響システム

 CX-60ではさらに、ツィーターとスコーカーを乗員の耳に音がより直接届きやすい位置に配置。また、高音域では指向性が強まることも踏まえ、ツィーターはその取り付け角度にも配慮している。加えてスコーカーのセンターキャップにサブコーンを設定することで、中・高音域の落ち込みを減らし、ツィーターの音とスムーズに繋がるよう工夫している。

 進化したのはスピーカーだけではない。アンプでは、電源に使われるコンデンサーの、電解液のブレンドをマツダ専用に開発し、ノイズを除去するためのトロイダルコイルにも高音質なものを採用。発振器も伝送時の情報の劣化が少ない部品を選定している。さらに、CDなどのデジタル音源に含まれる量子的ノイズを除去する機能を、純正車載オーディオとして初めて実装した。

 今回、その音質を実車で体験できたのは、「Lパッケージ」系以下のグレードに標準装備される、8スピーカーのオーディオシステム「マツダ・ハーモニック・アコースティックス」。

 ベースやバスドラム、コンガの深みと伸びがあり自然な低音が、インパネなどの共振も伴うことなく室内全体に広がるとともに、女性ボーカルやアコースティックギターの音も、極めて繊細なニュアンスまでクリアに聞き取ることができた。これはマツダ3やCX-30のマツダ・ハーモニック・アコースティックス」よりも、さらに一段と「原音忠実再生」、理想のオーディオに近づいたと評価することができるだろう。

 なお、12スピーカーの「エクスクルーシブ」系グレード以上には「BOSEサウンドシステム」が標準装備され、「Sパッケージ」および「Lパッケージ」系グレードにもメーカーオプション設定されている。

 マツダ3以降の各車のオーディオ開発を担当している統合システム開発本部電子性能開発部の若松功二さんによれば、こちらでは再生モードを「スタンダード」にすると低音域が強めになるが、「リニア」に設定すれば「マツダ・ハーモニック・アコースティックス」と同様にフラットな特性になるとのこと。

 今回は残念ながら視聴する機会を得られなかったが、もし若松さんの説明通りであれば、「マツダ・ハーモニック・アコースティックス」以上の「原音忠実再生」が期待できる。

 このオーディオを手に入れるためにCX-60を購入する。そんなユーザーが現れても何ら不思議ではないほど、CX-60の「マツダ・ハーモニック・アコースティックス」は素晴らしい仕上がりだった。


遠藤正賢 ENDO MASAKATSU

自動車・業界ジャーナリスト/編集

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