デトロイトショー衰退の理由は家電ショーでクルマを発表するから! それでもエンジン車を堂々展示するところに「アメリカ魂」を見た (2/2ページ)

ダッジのコンセプトモデルが今後の電動化を予測している

 とはいうものの、アメリカでも現実世界ではガソリンを垂れ流し、環境に良くないV8エンジン搭載車ばかりに乗るのも難しい(それでも最近のV8は燃費や環境性能は向上しているが)。結果的には、故障が少なく4気筒エンジンを搭載する、トヨタ カムリやホンダ アコード、もしくはひとつ下のトヨタ カローラやホンダ シビッククラスなどを日常生活の“足”にしている人が多いのも、アメリカの真実。さらにそのクラスのクロスオーバーSUVへと、トレンドはシフトしている。

 若いころにV8搭載車でブイブイ言わせていた、アメリカのオジさんたちは、普段のフラストレーションを解消するかのごとく、V8エンジン搭載車のボンネットを開け、V8エンジンをつまみにして会場内において自動車談義を盛り上げているのかもしれない。

 日本や中国と違い、クルマというものが文化としてしっかり根付いている国だからこそ、「何が何でも電動化」というのはなかなか難しいだろう。なんといっても現職大統領のバイデン氏も“カーガイ”を自称していると聞くようなお国柄なのである。だからといって電動車開発に消極的になるのではなく、“アメリカンEVはこんなに楽しい”という、そんな電動車作りを心がけて欲しいと考えている。現にステランティスのダッジコーナーに置いてあったコンセプトカーはマッスルクーペスタイルながらBEVとなっているが、V8OHVエンジンのようなエキゾースト音を出すとリリースに書かれている。これぞまさにアメリカンブランドのBEVといっていいだろう。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

-

愛車
2019年式トヨタ・カローラ セダン S
趣味
乗りバス(路線バスに乗って小旅行すること)
好きな有名人
渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

新着情報