スーパーフォーミュラはタイヤもシャシーもワンメイクだけどエンジンはトヨタ製とホンダ製が存在!  違いをドライバーに直撃した (2/2ページ)

寒い時期はホンダが強い!?

 両エンジンともに2000ccの直列4気筒ターボで、ともにギャレット製のタービンを採用。エンジン単体の最低重量は規程の85kgで、最高出力も550馬力とスペック自体に大きな変わりはない。

 事実、ホンダのパワーユニットを武器に2022年のスーパーフォーミュラでルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得した佐藤蓮選手は「特性的な違いはあると思うんですけど、ラップタイムでみたときに大きな違いはないと思います。セクタータイムで速い、遅いはあると思いますが、それはチームのセッティングもあるので、一概にエンジンだけの性能とは言えないと思います」と語る。

 とはいえ、エンジン特性や傾向は明らかに異なっているようで、トヨタ製のエンジンを武器にスーパーフォーミュラを戦ってきた阪口晴南選手は「夏場に関してはトヨタもホンダもあまり差はなく、リザルトを見ても交互にひしめきあっている状況ですが、涼しい時期の鈴鹿なんかはホンダが占めているイメージがありますね」とのことだ。

 事実、10月29日に開催された第9戦の鈴鹿では笹原右京選手が優勝、野尻智紀選手が2位、佐藤蓮選手が3位とホンダ勢が表彰台を独占。さらに翌30日に開催された第10戦においても野尻選手が優勝したほか、大津弘樹選手が2位につけるなど、ホンダ勢が1-2フィニッシュを達成している。

 しかし、「トラクションがかかる、かからない……という部分ではセッティングと抱き合わせの部分がありますし、同じホンダエンジン、トヨタエンジンによってもセットアップで変わってきますのでエンジン単体の違いを見極めるのは難しい」と付け加える阪口選手。逆に言えば、特性の違いはあるにせよ、トヨタエンジンにしてもホンダエンジンにしても、大きなアドバンテージはないようで、それゆえに、エンジン競争が行われていながらも、スーパーフォーミュラでは常に僅差のバトルが展開されているのである。


廣本 泉 HIROMOTO IZUMI

JMS(日本モータースポーツ記者会)会員

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