出たぞ新型セレナ! ノア&ヴォクシーとステップワゴンと「どれが買い」か徹底ライバル比較した (1/2ページ)

この記事をまとめると

■新型日産セレナがデビューし、2022年でMクラスミニバン3強がいずれも新型にチェンジした

■日産セレナ、トヨタ・ノア&ヴォクシー、ホンダ・ステップワゴンのライバル3台を比較

■価格や燃費性能、装備などを比較し、試乗して乗り心地を確認したうえでお気に入りを見つけ出すべし

Mクラスミニバンのライバル3台がモデルチェンジした2022年

 2022年末、新型日産セレナが登場したことで、ホンダ・ステップワゴン、トヨタ・ノア&ヴォクシーという国産Mクラスボックス型ミニバンの最新世代が揃い踏みしたことになる。ここでは、その3台をざっくりと比較。ざっくりというのは、現時点で、新型セレナは日産のテストコースのみの短時間の試乗、チェックでしか行っていないためで、本格的なガチ比較は、今後に譲らせてもらいたい。

 さて、まずはボディサイズだ。新型セレナは全長4690×全幅1695~1715mm(後者はハイウェイスター)、ホイールベース2870mm。基本的にプラットフォームは先代からのキャリーオーバーとなる。先代同様に、標準車は5ナンバー、ハイウェイスターは3ナンバーだ。

 ステップワゴンは全長4800×全幅1750mm、ホイールベース2890mm。全車3ナンバーとなり、全長はセレナを上まわる。

 ノア&ヴォクシーは全長4695×全幅1730mm、ホイールベース2850mm。プラットフォームはトヨタ最新のTNGAを新採用。全車3ナンバーサイズとなる。

 とはいえ、新型セレナのハイウェイスター、ステップワゴン、ノア&ヴォクシーにしても、ファミリーミニバンとして決して大きすぎることはない。各先代ユーザが乗り換えても、ステップワゴンの全長を除いて、戸惑うことはないはずだ。

 スタイリングは3車3様だ。新型セレナの顔つきは4連LEDヘッドライトで先進感を強調。ステップワゴンは初代回帰を思わせる、穏やかな顔つき、シンプルなボックス型スタイリングが特徴。そしてヴォクシーは流行りのオラオラ顔の迫力満点。ノアにしても、巨大なグリルによる存在感たっぷりだ。

 パワートレインは、新型セレナの場合、2リッターガソリン(スマートシンプルハイブリッドは廃止)、および100%電気で走る、新1.4リッターエンジン+モーターのe-POWERを用意。

 ステップワゴンは1.5リッターターボのガソリン車と、フルハイブリッドの2リッターエンジン+モーターのe:HEVが揃う。

 ノア&ヴォクシーは2リッターガソリンと、おなじみ1.8リッターエンジン+モーターのハイブリッドの展開だ。

 なお、最高燃費は新型セレナがe-POWER Xの20.6km/L、ステップワゴンはe:HEV AIRの20.0km/L、ノア&ヴォクシーはハイブリッド車の23.0km/Lとなる(いずれもWLTC総合モード)。カタログ値の燃費性能では、ノア&ヴォクシー→新型セレナ→ステップワゴンの順になる。

 パッケージング、とくに特等席となる2列目席の仕立てについては、各車、それぞれに特徴がある。

 新型セレナは先代同様に、2列目席は1種類。マルチセンターシート&中寄スライドによって、キャプテン、セミベンチのどちらにもなるタイプを踏襲する。標準スライドに加え、ロングスライドするのも先代同様で、広さもまた先代と大きく変わらない。

 先代に対して大きく変わったのがステップワゴン。先代はキャプテン、ベンチシートの2種類があり、キャプテンシートは中寄スライドなし。しかし6代目となる現行型は、ついに中寄スライド機構を備え、標準スライド&ロングスライドに対応。上級グレードにはオットマンも装備する。

 現行型の4代目ノア&ヴォクシーのキャプテンシートは逆に、2列目席の中寄スライドを廃止。しかし、キャプテンシートの横幅をやや狭めたことで、中寄なしのストレート超ロングスライド機構を新設定。

 言い方を変えれば、新型セレナとステップワゴンのキャプテンシートは、子育て世代にもうれしいセミベンチシートアレンジが可能。一方、ノア&ヴォクシーはキャプテンシートを買ってしまうと、先代とは違い、セミベンチシート化することはできなくなったということだ(もちろん2列目席ベンチシート仕様あり)。

 いまや、ミニバンでアウトドア、車中泊を楽しむ人が激増しているが、その際のフルフラットアレンジ、つまり2/3列目席にかけてのシートアレンジ性に注目が集まっているが、ズバリ、もっともフルフラット化しやすいのは新型セレナ。何しろ、シートバックをほぼ水平に倒した3列目席の座面とこれまたシートバックをほぼ水平に倒した2列目席の座面が隙間なく、ほぼフラットにつながるからだ。

 実際に寝てみたのだが、凸凹があるのは2列目席の座面とシートバックの間(足もと)だけで、頭をリヤ側にした場合、上半身はそれこそマットレスなしでも快適に寝られるほどのフラット感、クッション感があるのだからびっくり。

 ステップワゴンとノア&ヴォクシーも、マットレスを利用したフルフラットアレンジ、ベッド化は可能だが、凸凹の度合いで言えば、新型セレナにリードされている!


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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