マイノリティの声を聞いてくれ! AT大国の日本でMT乗りが「勘弁して」と感じる行為5つ (2/2ページ)

右折レーンの先頭になってしまうと憂鬱に……

 3つ目は、信号待ちをしていてMT車が先頭で停止してしまった場合。これもMT車のドライバーとしては緊張するイヤなシーンです。とくに後続車がパワーのあるAT車だったりしたら、信号が青に変わった瞬間に必死でシフトアップして加速しないと、後続車は当然のように途切れのない加速で続いてくるので、シフトアップで失速したら追突されてしまうかもしれないという恐怖が。少し前までは、環境省などが盛んにエコドライブの「ふんわりアクセル」をアピールしていたので、青信号ダッシュをするクルマも少しは減っていた印象でしたが、最近は何もしなくても低燃費なクルマが増えたからか、電動化車両が多くなってきたからか、また発進加速の鋭いクルマが増えていると感じます。

 4つ目は、バックで車庫入れをしている時に、クルマが下がってくるのがわかっているはずなのにサッと後ろを横切っていく歩行者や自転車が多いこと。きっと、バックモニターで見えているはずだとか、センサーで検知してブレーキを踏む装置がついているから安心だ、などと思っている確信犯的な歩行者も多いと思うのですが、MT車にはそうした機能はあまりついておらず、AT車のように急には止まれないので、ものすごくヒヤリとするのです。いくら、安全確認義務がドライバーにあるからといって、悪質とも思える飛び出しや横切り行為は腹立たしい限り。もしぶつかれば、怪我をするのは生身の人間ですから、お互いに注意したいものですね。

 5つ目は、右折の時。MT車は1速、2速とシフトアップする時がいちばん時間がかかるので、右折レーンの先頭になってしまうとすごく憂鬱になります。AT車なら、直進車両がちょっと途切れた隙に右折できてしまうような感覚ですが、MT車だとそうはいかないので、少し長めに隙間が空くまで待つことになるのです。そのため、せっかちな後続のAT車からププッとクラクションを鳴らして「なんで行かないんだよ!」とばかりに急かされたり、MT車が右折をし始めたらすかさず真後ろにピタッとついて右折をしてきて、シフトアップのタイミングで追突されそうになったり、かなり気を遣います。1台1台、少しの余裕を持って右折してほしいところです。

 ということで、MT車のドライバーが、AT車大国の日本で運転していて感じる、困ることや恐怖、不安などをご紹介しました。少数派ですが、まだMT車も一緒に走っているのだということを、頭の片隅に入れて運転するとお互いが気持ち良く走れると思います。


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

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