ドロップヘッドクーペってどんなクルマ? さすが「ロールス・ロイス」独特の言い回しだらけだった (2/2ページ)

ドロップヘッドクーペだけじゃない独特ないいまわし

 なお、ドロップヘッドクーペの反対にFHC:フィクスドヘッドクーペ(Fixed Head Coupe)という面倒なスタイルもあります。こちらは畳める屋根ではなく、オープンボディにハードな屋根をくっつけたもの。

「それ、普通のクーペでいんじゃね」と突っ込みたくなるところですが、イギリス特有のややこしい表現というかセンスでしょう。この屋根は、一見取り外しできそうに見えるのですが、Fixed(固定、不動)というくらいなので外そうったって外せません。FHCの良さは、やはりイギリス人でないと理解不能かもしれませんね。

 そのほか、コーチビルダーにボディをオーダーする際、知っておくとよさそうなワードは「ブロアム」や「ドヴィル」、あるいは「ボートテール」「スウェップテール」などがあります。

 ブロアム(Brougham)は屋根開きの運転席と後席キャビンが分離されているスタイル。これも馬車の形態を引き継ぐものですが、最初にオーダーしたブロアム男爵にちなんで名づけられています。

 なお、運転席に取り外し可能な屋根を付けると「セダンカ」と呼ばれるスタイルに。似たような構造をポルシェがちゃっかりタルガと呼んでいますが、そのはるか昔からコーチビルダーは作っていたのですね。

 ドヴィル(De Ville)はフランス語で街とか都会みたいな意味で、これまたコーチビルダーが好んで使うネーミング。要は「おしゃれ」「スタイリッシュ」をアピールしていて、とくにボディスタイルやカラーリングなどに個性やこだわりを備えたいなら「ドヴィルに仕立てて、プリーズ」みたいに使うのがよろしいかと。

 で、ボートとスウェップはボディのリヤスタイル(テール)を表現したもの。ボートはその名の通り、船尾を象ったもので上から見たら笹の葉みたいに絞られたもの。スウェップは、ボートより滑らかで、より収束感の強まった形状。2017年にロールスロイスが前述のコーチビルド部門でワンオフモデルを製作したのでご記憶の方もいらっしゃることでしょう。

 ロールスロイスに限らず、現代のプレミアムブランドは軒並みワンオフやコーチビルド部門を持っていますので、余裕があればぜひオーダーしてみてはいかがでしょう。ぜひ、知ったかぶってDHCとか、ドヴィル仕立てプリーズとか言って、素晴らしいワンオフをゲットしちゃってください!


石橋 寛 ISHIBASHI HIROSHI

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三菱パジェロミニ/ビューエルXB12R/KTM 690SMC
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