「クルマ好きたるものMTだよな」……とか言ってるけどやっぱりツラい! MT愛好家がじつは痩せ我慢していること5つ (2/2ページ)

靴が傷むのも早い!?

 3つ目は、景色のいい場所を走りながら、コーヒーなどのドリンクや、ちょっとした軽食を味わうのもドライブ中の楽しみの1つ、という人も多いと思いますが、MT車を運転しながらだとそれが煩わしい、面倒で困るということ。もちろん、慣れてくれば操作の合間に飲んだり食べたりすることはできますが、やっぱり走行中に頻繁なシフトレバーの操作がいらないAT車の運転と比べると、手を動かすのが忙しいことにかわりはなく、シーンによっては「今ちょっと食べられない」ということになります。また、シフトレバーの手前にドリンクホルダーがあるクルマだと、大きめのペットボトルを置いておくとシフト操作の際に腕に当たってしまうなど、邪魔になることもあります。

 4つ目は、アクセル、ブレーキのほかにクラッチの操作も必要なために、ペダル操作が多くて「靴が傷む」というのもじつはMT車乗りの悩みとして多く聞こえてきます。お気に入りの靴のカカトだけがすぐに擦れたり、汚れてしまうのです。そのためMT車に乗る人は、カカトの部分までカバーされているドライビングシューズを愛用していたり、「運転する時はこれ」という1足を車内に常備しておいて、履き替えて運転している人も多いですね。とくに女性は、デザインや素材が繊細だったり上質な靴を履くこともあるので、そのまま運転するとすぐに靴が傷んでしまいます。足にしっかりフィットし、ペダル操作が的確にできるスニーカーやフラットシューズなど、運転に適した靴を車内に備えておくのがオススメです。

 5つ目は、これは40代以上のMT車乗りに多いと実感していることですが、「腰痛持ちが多い」ということ。その原因については諸説ありますが、やはりクラッチ操作が負担になることが多いようです。というのは、右足で操作するブレーキペダル、アクセルペダルは奥深くまで目一杯踏み込むシーンというのは、一般道ではほとんどありません。でも左足で操作するクラッチペダルは、つねに奥まで踏み込むために、そのたびに歪んだ姿勢をとることになります。それが続くと、腰が痛みだす人が多いようです。また、フルバケットシートだとひどい腰痛にはならないのに、セミバケットシートだと腰痛になるなど、シートとの相性も関係しているという人がほとんど。軽くストレッチしてから運転したり、長時間の運転をした後には整骨院に行ったり、多くのMT車乗りが涙ぐましい努力をしています。

 ということで、いろんな本音が分かりましたが、逆に考えれば、ここまでしてでもMT車に乗りたいという愛情の表れ。少しでもMT車に興味があるなら、まずは乗ってみてはいかがでしょうか。


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

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