最新シエンタを押さえてモデル末期のフリードが2022年トップ! シエンタの足を引っ張る「納期」の現状と「ドッチを買うか」問題 (2/2ページ)

モデルチェンジを控えて早期販売終了もありうるフリード

 ところがここへきて、フリードに対し納期が決定的なアキレス腱となっていたシエンタの納期が急速に改善してきたのである。トヨタは2022年末あたりから国内向けモデルの生産能力増強をはかり、シエンタだけでなく多くのトヨタ車の納期が半年ほど前倒しとなっている。そのなかでもシエンタの納期は目に見えて改善している。

 調べてみると、シエンタでは標準タイプのETCがXを除いて標準装着されるのだが、これをETC2.0に変更するオプションを選ぶと(またはETC2.0と組み合わされるオプションを選択すると)、ガソリン、ハイブリッドともに納期が遅くなるようだ。さらにハイブリッドでは、トヨタチームメイト アドバンストパークも選択すると納期が遅くなるようである。

 前述したオプションを選択しない納車目途は、ガソリン車でうまくいけば2023年3月中には納車が間に合いそうである(本稿執筆時点)。また、ガソリン車でETC2.0を選択してもうまくいけば、2023年5月中には納車が間に合いそうだ(本稿執筆時点)。ハイブリッドでは前述したオプションを選択しないと2023年10月にはうまくいけば納車になりそうで、ETC2.0やトヨタチームメイトアドバンストを選択しても、頑張れば2023年中に納車が間に合いそうになっている(本稿執筆時点)。

 一方のホンダは本稿執筆時点では、「一部タイプ・カラーは1~2カ月程度で納車できる場合がある」としながら、ガソリン、ハイブリッドともに納車まで半年以上は待つことになるようだ。つまり、以前ほど決定的にシエンタの納期が長期化しているというわけでもないので、フリードとシエンタの間で今後は好勝負が期待できそうなのである。

 フリードはガソリンとハイブリッドでは納期に差がないので問題ないが、シエンタではガソリンとハイブリッドで納車までに6カ月の差(ハイブリッドのほうが納期がかかる)があるので、納期が短いのでガソリン車を選ぶのがいいのではと考える人もいるだろう。ただ気をつけたいのは、令和4年度ベースでみると、ハイブリッドが免税となる環境性能割について、ガソリン車はあるグレードでは6万円強計上されてしまうということ。

 令和5年度がどうなるのか、本稿執筆時点では経産省からの発表がなく正式に決まっていないが、環境性能割においてハイブリッドに対する免税がなくなる可能性は少ないので、令和5年度以降も諸費用面ではガソリン車のほうが支出は多くなるものと判断できる。半年ほどの納期差ならば、ハイブリッドを選ぶほうが賢い選択だと考えるがいかがだろうか。

 また、フリードの懸念材料は、そろそろオーダーストップのタイミングが気になってくることだろう。いまよりも半導体調達などで難儀していたころに新型へバトンタッチしたステップワゴンでは、かなり早く先代をオーダーストップさせて、先代で使う予定だった半導体などを新型にまわす措置をとったと聞く。

 当時より多少状況が改善しているとはいえ、フリードも早めにオーダーストップとなる可能性が高い。現状でオーダー車になると工場出荷目途が8月ごろになるとしている。このペースで工場出荷目途が続き、多くの情報で2023年中にフルモデルチェンジ予定となっていることを考慮すると、新年度(2023年4月)に入る前にオーダーストップになってもおかしくないともいえる。

 つまり、マゴマゴしているとこのクラスではしばらくシエンタ以外の選択が難しくなってしまう可能性も高い。可能ならば3月末まで展開される「年度末決算セール」期間中に、様子見もかねてディーラーを訪れて情報収集したほうがいいだろう。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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