現代の技術においてもなす術なしってホントか? タイヤのパンクを修理できないケース5つ (2/2ページ)

パンク修理キットを使用した場合は基本直せない

 トレッド面に異物が刺さったことが原因のパンクにおいても、オーソドックスな修理方法は異物を抜き取り、空いてしまった穴をふさぐというものだ。そのため、修理できる穴の大きさには限界がある。一般的には直径10mm以下が修理可能とされ、それより大きく裂けていると修理不可能となる。

 トレッド面にネジが刺さった程度で、通常であれば修理できる状態であっても、タイヤショップに修理を断られることもある。それはタイヤの溝が規定を下まわっていたり、極端に古いタイヤだったりするケースだ。この場合、修理した際の安全が確保できないこともあって、修理より交換を勧められることが多い。

 また近年は、スペアタイヤよりスペース的にも重量的にも有利となるパンク修理キットを標準装備するクルマも増えている。パンク修理キットは、ケミカルによって空気が漏れる穴を埋めてしまうという仕組みのため、一般的には修理キットで直したタイヤについてはパンク修理が難しい。また、ホイールも洗浄する必要があり、工賃もかさんでしまう。

 ランフラットタイヤというのは、サイドウォール部分を強い設計とすることで空気が抜けてしまっても80km/hで80kmほど走ることができるというもの。パンクしたときの安全性を確保してくれるものだが、その構造的に、パンク修理が難しいのも事実。ランフラットタイヤがパンクした際も、新品タイヤへの交換が基本となってしまう。

 いずれにしても、「パンク修理を断って、新品タイヤを売りつけるなんてとんでもないショップだからSNSで晒してやろう」などと憤る前に、パンクしたタイヤの状態や種類を確認すべきだ。

 すべてのパンクが修理できるわけではなく、直せないケースもあること、新品に換えるべき場合もあることは覚えておきたい。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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