「跳ね上げ」でも「スライド」でも「スイング」でもなく「下がる」ドア! BMW「Z1」は何もかもが奇抜すぎる1台だった (2/2ページ)

唯一無二なボディに沈むドロップドアが個性的

 その車体構造はスチールモノコック、コンポジットプラスチックフロア、そしてサーモプラスチックパネルによって構成されており、ボディ全体をシャシーから着脱することも可能であったという。

 そしてこのZ1が他車にはない大きな特徴としていたのがドロップドアの存在だ。これはドア本体がボディの内側に下向きに引き込まれることでオープンされるという、いかにも未来的な感覚を抱くデザイン。

 サイドシルはその分ワイドな設計となってしまったが、それを跨いでキャビンに乗り込むのもまたZ1のオーナーには至福の瞬間といえるのだろう。

 このドアは走行中にもオープン状態としておくことが可能で、その場合にはより地面との近さが顕著に感じられるようになる。一方、クローズ時にはパワーウインドウをクローズさせることで、さらに快適なクルーズを楽しむことも可能。

 搭載される直列6気筒ユニットは、現在の感覚では特別にパワフルという印象は感じないものの、それでもBMWのストレートシックスならではのスムースさには十分に満足することができるだろう。

 サスペンションはフロントにマクファーソン式ストラット、リヤには開発の期間中にはトップシークレットとされていたZアクスルを採用。このZアクスルはセントラルアーム式のダブルウイッシュボーンの一種だ。そのコントロール性は高く、いかにもオープン2シーターらしいアクティブなドライブを楽しむことができる。

 1988年から1991年にわたって、約8000台が生産されたというZ1。日本には残念ながらこのZ1の正規輸入は行われなかったが、2.7リッターエンジンを搭載し66台が限定生産された、BMWアルピナの「アルピナ・ロードスター・リミテッド・エディション」が正規輸入、販売されている。


山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ
趣味
突然思いついて出かける「乗り鉄」
好きな有名人
蛯原友里

新着情報