車検証にある「車両重量」と「車両総重量」! 注目されないけどコストにも免許区分にも関わる重要な数値だった (2/2ページ)

車両重量次第では同じクルマでも税額が異なる場合もある

 しかし、車両重量が自動車重量税の基準になっていると聞けば、印象は変わってくるはずだ。

 エコカー減税や旧車増税のことをいったん忘れて、基本的な話をすれば、登録車における自動車重量税というのは500kgごとに4100円が課税されるというルールになっている。そして、自動車重量税は車検時に徴収されるので、継続車検では2年分を納税することになる。

 前頁で例にあげた車両重量1170kgのハイブリッドカーであれば、4100(円)×3(単位)×2(年)という計算になるので、自動車重量税の課税額は2万4600円だ。1640kgのV6エンジン車では4100(円)×4(単位)×2(年)という計算になるので、自動車重量税の課税額は3万2800円となる。

 このくらいの数字であれば諦めもつくが、同一モデルでもグレードによって車両重量が異なる場合は微妙かもしれない。マツダ・ロードスターのベーシックグレードは車両重量990kgと軽量になっているが、ひとつ上のグレードは車両重量1010kgとなっている。上記の計算式からわかるように、たった20kgの差ではあるが、自動車重量税の負担は車検ごとに8200円も異なるのだった。

 このあたり気にするユーザーは車両重量のカタログ値について細かくチェックしていることだろう。

 カーナビをつける場合でもライン装着されるメーカーオプションでは車両重量に含まれるが、ディーラーオプションや量販店でカーナビを取り付けるのであれば車両重量には含まれない。10~20kgで自動車重量税のランクが変わってしまうようなクルマでは、このあたりの工夫で後々の税負担が変わってくるのだ。

 さて、車両総重量について一般ユーザーが気にすべきは、免許との関係だ。

 平成29年3月以降に取得した普通免許では運転できるクルマの条件が定員10人以下、車両総重量3.5t未満となっている。つまり、車検証の車両重量が3500kgを超えているクルマは、たとえ乗用車であっても運転することはできない。

 ちなみに、それ以前に普通免許を取得しているドライバーの多くは「準中型免許(5t未満限定)」となっているだろうが、その場合は車両総重量4999kg以下となっていることが運転できるクルマのリミットであり、限定のない「準中型免許」では7499kgまでが運転できるクルマの上限だ。

 平成19年6月以前に普通免許を取得した場合、いまは「中型免許(8t未満限定)」という免許になっているだろうが、この場合は車両総重量7999kg以下であることが運転できるクルマの条件となっている。

 ほとんどの乗用車は3.5tもないので、あまり気にしていないかもしれないが、キャンピングカーなどでは、いまの普通免許では運転できる重量制限を超えている可能性もあるので、レンタカーを利用する場合や、友人のクルマを運転するときには車検証を確認するようにしたい。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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スズキ・エブリイバン(DA17V・4型)/ホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SP(SC82)
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