フロントウインドウに「色つきフィルム」を貼ることは違法じゃない! 「可視光線透過率」が重要だった (2/2ページ)

ウインドウフィルム施行がNGという時代は終わっている

 つまり、フロントウインドウにフィルムを貼っていても、きちんとした測定機能を持つ測定器において可視光線透過率を測り、それが保安基準の70%以上であればフィルムを貼ることは合法になる、という「お墨付き」が出たといえる。

 具体的には、どのような測定器を使っているのか。可視光線測定器「PT-500」を用い、合法的なウインドウフィルム施行作業を実施しているという株式会社ソフト99オートサービスを訪れ、お話を聞くことにした。

 可視光線透過率測定器「PT-500」はプロ向けの測定器だけに、価格は約50万円と非常に高価なのだが、保安基準を満たしたウインドウフィルム施行には必須アイテムということで、カーフィルムを施行するプロショップでは所有しているところも増えているということだ。

 最初に計測するのはノーマルでの透過率だ。透明に見えるガラスだが、最近のクルマはIRやUVカット機能を強化していることもあって、純正状態でも保安基準ギリギリであることは珍しくないという。

 ソフト99オートサービスにて施行したクルマのフロントウインドウには、青い発色が印象的なフィルム「ピュアゴースト」が装着されていた。その状態で透過率を計測したところ、可視光線透過率は77.5%となっていた。つまり、ウインドウフィルムをフロントに貼ることはNGではない、保安基準を満たした合法カスタマイズというわけだ。

 また、同社ではPT-500を使って計測した透過率について証明書を発行するサービスも行っているという。フィルムが劣化しないとは言い切れないので、施行時に計測したデータが、未来永劫の保安基準クリアを保証するものではないが、「施工時の合法性」を証明する根拠になる。

 あらためてまとめると、カーウインドウフィルムを前席サイドガラスやフロントウインドウに貼るカスタマイズは、しっかりとした可視光線透過率測定器を使って、保安基準である70%以上の透過率を確保している限り合法といえる。問答無用にフロントへのウインドウフィルム施行がNGという時代は明確に終わっているのだ。

 前述した通達が出る前から、フィルム施工業者は保安基準に基づく可視光線透過率測定器を使い合法施工を行ってきているという。もちろん、今回の取材にご協力いただいたソフト99オートサービスも、そうした信頼できるプロショップだ。ウインドウフィルムを施行する際には、こうした信頼できるプロショップに依頼すべきだ。

 なお、今回のサンプルカーにも施行されている「ピュアゴースト」フィルムは青紫色に着色されているように感じるかもしれないが、室内からは非常にクリアで色かぶりしているような印象はなかった。

 それもそのはず、このフィルムが青紫色に見えるのは、可視光線透過率に影響のない紫外線や赤外線付近の光を反射しているから。冒頭で記したような遮熱効果の証が、この特徴的な青紫色といえるのだ。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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スズキ・エブリイバン(DA17V・4型)/ホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SP(SC82)
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