この記事をまとめると
■ガイキンド・インドネシア国際オートショー2023で新型アルファードがデビューした
■東南アジアでは富裕層のステイタスカーとしてアルファードは人気が高い
■最近ではヒョンデのミニバンがシェアを広げつつあり以前ほどの人気は失われている
東南アジアでもアルファードがデビュー
タイで6月30日にASEAN(東南アジア諸国連合)デビューした新型アルファードが、GIIAS2023(ガイキンド・インドネシア国際オートショー2023)会場にてインドネシアデビューを飾った。価格は13億5610万ルピア(約1289万円)からと、新型でも日本から完成車輸入することにより、関税などの諸経費負担も大きくなる。「価格」となると“1000万円台”になってしまうのはインドネシアだけでなくASEANあるあるともいえるだろう。
東南アジアにおいてアルファードは、タイやインドネシアだけでなく、ベトナムなど多くの国の富裕層のステイタスカーとなっている。とくにアルファード&ヴェルファイアが大好きなのは香港であり、日本でもすっかり「令和のカローラ」のようにかなりの台数が街なかを走っているが、それに匹敵するかそれ以上の割合で街なかを走っている。
タイもアルファードが大好きな市場のひとつ。当然、日本から正規ルートで完成車が正規輸入販売されているのだが、それに加えて走行距離も少ないほぼ新車に近い中古車も日本から輸入してタイ国内で販売されている。いわゆる「並行輸入販売」されているのである。
単純に中古車として輸入販売されているケースもあるが、エアロスポイラーなどドレスアップを施し、「トヨタ・アルファード」以外の車名で販売されるオリジナルブランド車も多く販売されており、こちらは数十年前に日本でブレイクした、アメリカから中古車として輸入販売したのが大ヒットした「シボレー・アストロ」並みとも言われるほどの台当たり利益をもたらしているとも言われている。アストロが大ブレイクしていた当時の日本では、「年間に数台アストロを販売すれば新築一戸建て住宅が買える」とまで噂されていた。
東南アジアでのアルファードの中古車は新車に限りなく近いのだが、日本でのアストロは、エンジン換装しているものも目立つ過走行車のような物件をアメリカ国内で安く買い集め、エアロパーツや内装を改造して日本へ輸出し、結構な価格で販売していたので台当たり利益がむちゃくちゃ良かったとも聞いている。そこまでいかないとしても、アルファードのタイ国内での並行輸入車販売は「うま味」が大きいようである。
だが、タイで日本からの中古アルファード販売のうま味を享受しようと、現地での販売業者が乱立し、さすがに価格競争なども起きたようで、以前ほどの「うま味」がなくなってきており、販売自体の勢いも往時ほどではないと現地で聞いている。レクサスLMがタイでも初代から販売されており、アルファードからLMへと流れたユーザーも多いようだ。