かつては廉価モデルの象徴だった黒樹脂バンパー! いまやツール感の演出に欠かせない「オシャレアイテム」に昇格していた!! (2/2ページ)

スズキはヘビーデューティさの演出に黒バンパーを活用

 これ以外ではスズキ・ジムニー/ジムニーシエラとジープ・ラングラー/グラディエーター、先日国内市場への復活が発表されたトヨタ・ランドクルーザー70といったヘビーデューティ4WDが思い浮かぶ。

 かつてはすべて鉄バンパーで、初代のジムニーや昔のグラディエーターは白バンパー、初期のランクル70はクロームメッキ仕上げが一般的だった。その後、樹脂バンパーに変わるわけだが、特筆すべきは先代(3代目)ジムニー/ジムニーシエラで、カラードバンパーを採用していたこと。

スズキ・ジムニー(JB23)のフロントスタイリング

 当時はセダンやハッチバックをベースとしたSUVが次々に登場してきた頃で、ジムニーも見た目をそれっぽく装いたいという考えから、丸みを帯びたスタイリングにカラードバンパーという出で立ちになったのだろう。

 でもその後、予想以上にSUVのラインアップが増えると、ヘビーデューティなモデルが逆に新鮮に感じられるようになった。その流れをいち早く掴んで、現行型であの形にスイッチしたスズキはたいしたものだ。

スズキ・ジムニーシエラのフロントスタイリング

 スズキと言えばもう1台、ハスラーも触れておきたい。先代かつ初代が黒バンパーだったからだ。といっても黒一色ではなく、シルバーのバーをアクセントとして入れていて、遠くから見ると昔のメッキバンパーに見えた。

スズキ・ハスラー(初代)のフロントスタイリング

 ところが現行型は当初、シルバーの部分をボディ同色に変更。でも特別仕様車でシルバーバンパーが復活すると、マイナーチェンジで2トーンカラーはルーフと同じ色をここに入れるようになり、ルーフがガンメタの場合は黒バンパー、ベージュの場合は初代のシルバーっぽく見えるようになった。

スズキ・ハスラー(2代目)のフロントスタイリング

 現行型の仕立てを戻すほど初代の影響力は大きかったわけで、いまもSNSなどでつながりを持たせていただいている初代のデザイナーは、やっぱりセンス抜群だったんだと再確認した。


森口将之 MORIGUCHI MASAYUKI

グッドデザイン賞審査委員

愛車
1971シトロエンGS/2002ルノー・アヴァンタイム
趣味
ネコ、モーターサイクル、ブリコラージュ、まちあるき
好きな有名人
ビートたけし

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