このポルシェもフェラーリも「自転車」ってマジか! オーストリアの悪ノリを極めたアーティストの正体とは (2/2ページ)

悪ノリしすぎなPVも必見なクオリティ

 クセになるのは、なにも見ている側だけではなかったようで、ラゲンデル氏は性懲りもなく人力エンジンのフェラーリもどきを完成させています。こちらはファーラディ・ファーフォールFFXと名乗っていますが、あきらかにフェラーリ・エンツォのパクり。

ファーラディ・ファーフォールFFXのエクステリア

 とはいえ、本家のディヘドラルドアに肉薄するガルウィングドアや、エンツォ独特のエアロボディ、角断面の金属フレームなど、フェルディナンドGT3 RSからの進化は著しいものがあります。

 フェルディナンド号のときと同じく、完成披露のプロモーションムービーがあるのですが、ファーラディのチームシャツを着こんだり、試乗にあたって消防隊のコスプレをしたスタッフが構えているなど、悪ノリもさらに進化。

ファーラディ・ファーフォールFFXのサイドスタイリング

 圧巻なのは、トンネル内を通過する際に、バットモービルよろしく、天井を走り抜けているシーンでしょう。もちろん、見え透いた合成ムービーですが、よほどフェルディナンド号の鈍足ぶりが気に入らなかったのでしょう、意地でも速そうに見せたい気持ちがパンパンなところが笑えて仕方ありません。

 フェルディナンドGT3 RS、ファーラディ・ファーフォールFFXともに、製作費は邦貨にして150万〜200万円ほどかかっているそうですが、じつはPVのほうがよっぽど予算かかっているような気がしてなりません(笑)。

ファーラディ・ファーフォールFFXが街中を走る写真

 いずれにしろ、ラゲンデル氏の次回作はどんなパクりで、どんなギミックを仕込んでくるのか、期待しかありません。アーティスト界はまたもや至宝の人材を見つけたといっていいでしょう(笑)。


石橋 寛 ISHIBASHI HIROSHI

文筆業

愛車
三菱パジェロミニ/ビューエルXB12R/KTM 690SMC
趣味
DJ(DJ Bassy名義で活動中)/バイク(コースデビューしてコケまくり)
好きな有名人
マルチェロ・マストロヤンニ/ジャコ・パストリアス/岩城滉一

新着情報