全長5mを超えるボディによる圧倒的車内空間! 巨大ミニバン「グランエース」とは (1/2ページ)

この記事をまとめると

■2019年から国内販売を開始したグランエースは全長5mを超える大型FRミニバンだ

■グランエースは3列シートの6人乗りと4列シートの8人乗りをラインアップする

■グランエースもアルヴェルも、その期限を辿れば1995年のグランビアに行き当たる

快適な移動を実現するパッセンジャーカー

 トヨタのラグジュアリーミニバンといえばアルファード/ヴェルファイアを思い浮かべる人が圧倒的でしょう。2023年にフルモデルチェンジを果たし、4代目となった両車は、先代より高級感や存在感がさらに増したこともあり人気を得ています。ただ、トヨタにはアルファード/ヴェルファイアより巨大で8名乗車が可能なミニバンが存在することをご存じでしょうか。

 その名はグランエース。2019年から国内販売を開始した同車は海外向けハイエースをベースに開発した5mを超える大型FRミニバンです。

 圧倒的に広い室内を活かし、3列もしくは4列シートを配した同車は、多人数での快適な移動を可能とすることで、おもに送迎車としてのプロユースをターゲットにしました。

 とはいえ、ライバルとなるメルセデス・ベンツVクラスに劣らない走行性能を備えていることも特徴といえるでしょう。

 現在、グランエースは4列シートの8人乗り「G」(620万円)と3列シートの6人乗り「プレミアム」(650万円)をラインアップ。

 快適な移動を実現するパッセンジャーカーとして、グランエースはさまざまな特徴を備えています。

グランエースの特徴

快適な移動を可能としたラウンジ空間

 グランエース最大の特徴は広大な室内空間。4列シートを配した8人乗りと3列シートの6人乗りをラインアップしています。

 全長5300mm、ホイールベース3210mmと堂々たるボディを備えていることで、4列シート車でも各列のシートそれぞれでゆとりあるスペースを実現しました。

 また、豪華仕様となる3列シート車の2&3列目シートにはエグゼクティブパワーシートを配置。広大な足元スペースを備えオットマンを備えた豪華シートの快適性は国産車随一ともいえるでしょう。

 ラゲッジルームのスペースは、大きなボディにもかかわらずミニマム。とくに4列シート車を空港送迎に使用する場合、人数分のスーツケースは積載できません。

サイドメンバーを配したモノコックボディ

 海外仕様のハイエース(H300系)とプラットフォームを共有するグランエースは、モノコック構造を採用しつつ強固な床下骨格とサイドメンバーを配置。ラダーフレーム式のメリットとなる強度や剛性を両立しました。

 多人数乗車が当たり前のモデルだけに、環状骨格構造の採用やバックドアの開口部の形状も工夫したことで、剛性が向上していることも特徴です。

 また、長時間運転を求められるショーファーカーでもあるので乗り心地や操縦安定性も重視。フロントにはロールセンターを高めに設定したストラット式。リヤにはリジット式を採用し、安定したスタビリティを確保しました。

パワフルなクリーンディーゼルエンジン

 グランエースに搭載されるのは1GD-FTV型2.8リッター直4ディーゼルターボエンジン。最高出力177馬力を発揮する同エンジンは、精密な噴射制御を行うコモンレール式燃料噴射装置を採用し、尿素SCRシステムを備えたクリーンディーゼルエンジンです。

 ターボチャージャーは可変ノズルベーンのVG(バリアブルジオメトリー)式を採用。排気タービンのノズルブレードを可変制御することで、ターボラグを抑え高トルクを実現しました。

 このエンジンに組み合わされるトランスミッションは6速AT。適切なギヤ比を設定することで2740〜2770kgと重いボディを過不足なく走らせます。

ラグジュアリーセダン並みの静粛性

 ひと昔前にはうるさいことが当たり前だったディーゼルエンジンを搭載しているグランエースですが、特徴のひとつが静粛性。

 グランエースはアッパーボディに塗装時の熱で発泡させてボディの隙間を塞ぐ熱発泡性の遮音材を装備。その他、パーツの形状や部分に合わせウレタンフォームなども採用。静粛性に大きな影響を与えるパネルの隙間から侵入するノイズを抑えています。

 また、エンジン騒音の遮音にも力が入れられており、遮音材を挟んだ吸音材などを配置するなどで徹底的に騒音を抑えました。


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