「軽い」ってだけで「楽しい」は真理! 装備だらけで重くなりがちな現代でも生き残ってる「ライトウェイト」なクルマ4台 (2/2ページ)

必要なのはパワーではなく軽さ!

スズキ・スイフトスポーツ

 いまとなっては絶滅危惧種といっても差し支えないFFホットハッチも、昔は余計な装備がなくて軽量級の最右翼だったかと。それゆえ、スイフトスポーツはロードスターと並んで「気持ち良く走りたい」ユーザーから熱い支持を受けているのでしょう。車重は6速MTで970kg、6速ATを搭載しても990kgですから、「嫁さんが乗れないと困る」という方でもどうにか1トンちょいでブイブイ飛ばせます。

 車体がコンパクトで軽いため、スズキはわりと動くサスセッティングをしています。重心高もさほど低いわけではないので、ヨーモーメントを嫌う向きはカチコチのスプリングがサードパーティからいくつもリリースされており、好みに合わせてカスタムするのも楽しいでしょう。

 1.4リッターの直4ターボも吹き上がりがよく、芯のある回転フィールに好感が持てます。軽量を活かしたドライバビリティに加え、こうしたテイストが楽しめることもファンが絶えない理由にほかなりません。

フィアット500 1.2スポーツ

 なんだかんだ人気の絶えないチンクエチェントにも、比較的軽量、かつ純粋に5速MTで操る楽しみが味わえるモデルがあります。1.2スポーツはその名のとおり1.2リッターの排気量から69馬力/10.4kgmを発生する直4のSOHC8バルブを搭載し、車重は990kg。お察しのとおり、パフォーマンスはお世辞にも高くありませんし、わりと高い重心位置のせいでオーバーな揺り返しだって無視できません。

 ですが、非力なエンジンをヒィヒィ言わせながら、5速のギヤスケジュールを駆使して走らせるのは、スポーツそのものといって差し支えないでしょう。高いところからいわせてもらえば、その昔、FISCOを駆けていたフレッシュマンの車両だって似たようなものなのです。

 パワーではアバルトやマセラティに劣るかもしれませんが、吊るしの1.2でも下り坂なら勝機はなくもないでしょう。そんなド根性バトルが楽しめるというのも、ひとえに軽い車重があってこそ、かもしれません。


石橋 寛 ISHIBASHI HIROSHI

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三菱パジェロミニ/ビューエルXB12R/KTM 690SMC
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DJ(DJ Bassy名義で活動中)/バイク(コースデビューしてコケまくり)
好きな有名人
マルチェロ・マストロヤンニ/ジャコ・パストリアス/岩城滉一

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