カントリーにプロにシャトルってこれ全部シビック! マニアでも全部は知らないホンダシビックの「派生車」の世界 (2/2ページ)

海外ではさまざまな形で展開されていた

 ここまではシビックの派生車種でも実用性重視のモデルを紹介してきたが、シビックにはパーソナルモデルの2ドアのクーペも存在した。それが1983年の3代目シビックの兄弟車、バラードの派生車として誕生したライトウェイトスポーツのCR-Xだ。国内ではシビックを名乗らなかったものの、中身はシビックであり、北米ではCIVIC CRXという車名であった。

 正式にシビックがクーペを名乗ったのは、1992年の5代目シビックに加わったシビッククーペからだ。それも国内生産ではなく、ホンダR&Dアメリカ(HRA)生産の逆輸入モデルであった。右ハンドル、左ハンドルがあったのも特徴で、初代は1995年に生産終了。1996年に2代目シビッククーペに受け継がれることになった。しかし、日本国内では不評のようで、3代目以降は北米をメインに販売されることになる。

 じつは、5代目、6代目(シビッククーペの最終型となってしまった)のシビッククーペはかなりスタイリッシュ。パーソナルカー的なキャラクターもあり、もし日本に逆輸入していたら、けっこう人気が出たんじゃないかとも思えるほどだ。

 話は変わるが、シビックにはハッチバック、ワゴンのほか、セダンタイプももちろん存在した。ややこしいのはその車名が、5代目から加わった1991年発売のシビック・フェリオという点。フェリオ(休日という意味らしい)といわれてもセダンを想像できる人はそうはいない。シビック=ハッチバックというイメージも根強く、セダンタイプの人気は高まらず、2005年、シビックが8代目になったのを機に、3代で消滅。

 それにしても、歴代シビックはその歴史の古さとともに、「バリエーション多すぎ!!」の印象は隠せない。とはいえ、バラードCR-Xや5/6代目シビッククーペ(日本未発売)のように、シビックのイメージを覆す名車、スタイリッシュ極まるシビックも存在したことになる。

 なお、2024年1月の東京オートサロンでは、ホンダのブースでシビックの新グレード、RSのプロトタイプが発表され、シビックのロードセイリング=RSモデルの復活として話題沸騰中である。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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