アプリでタクシーを呼んだら全然カローラがこない! 「カローラの楽園」だったタイのタクシーが中国BEV勢に浸食されていた (2/2ページ)

中国系メーカー台頭の背景にあるタイ特有の事情

 2024年まではEVに乗ること自体に物珍しさが残っていただけに、現在スマホでマッチングを試みると、とくにMG EPに当たることが珍しくなくなってきたことには、今回見た普及ぶりにただ驚くばかりであった。その背景には、前述したように燃料費節約などドライバーからのニーズの高まりもあるが、中国系メーカーの普及促進もかなり積極的となっている点もあるだろう。

 タクシーや自家用車をもたないライドシェアドライバーは、車両を借りて営業運行を行なっている。燃料代も、もちろん自己負担だ。タイのタクシーでは、ポピュラーなNGV(天然ガス)タクシーでの天然ガス代に対して、BEVでの電気代負担は半分程度になることがドライバーにとっても大きいようだ。

 また、一般的な小売りでは設定されない60万kmまでの駆動用電池の保証や、車両レンタル代の一部負担なども中国系メーカーは行っているようである。

 BEVに限らず、MG 5のようなICE車でもライドシェア車両ではここのところ中国系メーカーの新車が目立ってきているので、タクシーやライドシェアではBEVに限らずさまざまなサポートを行っているのも普及の背景にあるのは間違いない。「次にバンコクを訪れたときは……」と考えると、カローラフリークの筆者にとってはあまりうれしくない光景がさらに増えていくんだろうなぁ、という思いが脳裏をよぎってしまう。


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小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

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