大幅進化を遂げた中期型「涙目」
「涙目」と称される中期型は、C型、D型、E型と3年間にわたって製造されており、GDBのなかではもっとも販売期間の長いアプライドとなる。
涙目では、エクステリアに新デザインのフロントバンパー、フロントフードを採用。フロントフードは傾斜を強めることでボディ先端からフロントウィンドウまで連続感のある滑らかな形状とし、空気抵抗を低減したことで、インタークーラーダクト形状もGD系では最大のサイズとなっている。
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ほかにも、フロントバンパーでは開口部の形状を変更し、冷却性能を向上。さらに配光特性に優れる大型ヘッドライトを採用し、暗いといわれた丸目のヘッドライトから照射性能を向上するとともに、リヤコンビネーションランプと一体感のあるデザインを採用した。細かな部分では、雨天走行時の鏡面の汚れ低減にも配慮した新デザインのドアミラーを採用している点も見逃せない。
インテリアはメーターパネルに、常時赤色発光式のレッドルミネセントメーターを採用。WRX STiは、イグニッションキーをオンにすると、メーターの指針が最大値まで上昇し速やかに戻るニードルスイープ機能も採用している。ほかにも専用小径ステアリングの採用など、スポーツ走行時の操作性を向上させた。
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メカニズム面では、ツインスクロールターボの採用で、低回転域からの高いトルクと優れたアクセルレスポンスを実現したほか、4-2集合等長エキゾーストの採用で、排気干渉を抑制し、過給効率を向上している。さらに、アルミ合金製の高強度鋳造ピストンの採用をはじめ、シリンダーブロック、コンロッド、クランクシャフトなどの強度を向上させ、トルク向上に対する信頼性を確保。
そして、前期型ではスペックCにのみ装備されていたドライバーズコントロールセンターデフを、WRX STiでもオプションで選択可能とし、アクセル開度や車速、横Gなどの状況を検知し最適な前後トルク配分を行うオートモードも追加された。駆動系では、トルク向上に対応するため、トランスミッションの強度を高め、材質の変更などにより軽量化を実現。また、シフトリンケージなどの改良により操作性も向上している。
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このほかにもさまざまな改良が実施され、C型ではフルモデルチェンジ並みの進化となった。
D型では大きな改良こそなかったが、ストイック一辺倒であったスペックCでWRブルーが選択可能となったほか、16インチ仕様車でもマニュアルエアコン、パワーウインドウ、集中ドアロックのオプション装備が可能となった。また、シートのスライドレバーがタオルバー式になるなど細かな改良は実施されている。
そして、中期型の集大成であるE型では、PCDを100-5Hから114.3-5Hへサイズアップ。同時にホイールリム幅が7.5Jから8Jへサイズアップしたことで、タイヤサイズも225mmから235mmへ拡大。このサイズに対応するため、リヤフェンダーの形状が拡幅されている。ほかにもDCCDへヨーレートセンサーを追加し、回頭性も向上している。
そして、このE型をベースとしたSTiコンプリートカー「S203」は、S202 STiバージョンのスペックCベースから、標準のWRX STiベースへ変更し、スパルタンな印象からスポーツプレミアムモデルへと路線変更したことも特徴的だ。
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ちなみに、インテリアもデザインをリファイン。質感が向上しただけでなく、ドリンクホルダー位置の最適化など実用面も大幅に向上した。また、D型まではオートエアコンの吹き出し口はマニュアル選択式となっていたが、E型からは吹き出し口も自動選択が可能なフルオートエアコンへ進化している。