「鷹目」の後期型で円熟の域へ 「鷹目」で親しまれる後期型はF型からスタートし、再びエクステリアを変更。当時のスバル 車の特徴でもあるスプレッドウイングスグリルを採用し、ヘッドライトは切れ長で精悍なマスクへイメージチェンジした。フロントに合わせ、リヤコンビランプのデザインも変更され、ひと目で後期型とわかる改良が施されている。
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また、E型で進化した空力面をさらに進化させ、ルーフ後端に装着されるルーフベーンにより、リヤウイングの空力効果を最大限に発揮。リヤアンダー部にもディフューザーを追加するなど進化を遂げている。
メカニズムの面ではトルク感応型の機械式LSDを追加するとともに、電磁式LSD制御にステアリング舵角センサーを追加。より素早く緻密なトルク配分制御を行うことで、優れた旋回性能と操縦性を実現した。インテリアは、E型のデザインを踏襲しつつも、スピードメーターがフルスケール化されている。
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F型でも、STIコンプリートカーのSシリーズとして「S204」を設定。ベースモデルの性能向上に加え、新たにボディダンパーを搭載するなど、しなやかさに磨きをかけている。インプレッサ S203同様に、リヤスポイラーを専用としていることもあり、ベースモデルに装備されているルーフベーンが装備されていない点が外見での特徴だ。
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最終型となるG型では、F型で完成の領域に達していたこともあり、ヘッドランプのベゼルをブラックからメッキに変更する程度にとどまる。ただ、WRX STIの新たなグレードとして「WRX STI A-Line」を追加。これは3代目のGR/GV型に設定されている同名のモデルとは異なり、トランスミッションは6速MTのみ、エンジンもWRX STIと同一のものとなる。
ただし、エクステリアでは大型ウイングやルーフベーンといったアイテムの代わりに、リヤリップスポイラーという小型のスポイラーを装備。フロントフォグランプを標準装備とし、シンプルな佇まいとなっている。インテリアもそれに合わせるよう、トリムカラーやシートカラーも専用の落ち着いたものとなっており、パワートレインこそ異なるものの、「大人のWRX STI」というコンセプトは3代目A-Lineへの布石として確立されていた。
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このように、A型からG型まで、さまざまな改良ポイントにより仕様の異なるGDB型インプレッサだが、中古車を検討するユーザーには、その違いが進化だけにとどまらず、好みとして幅広く選択できる点も人気のポイントだ。
たとえば、性能面では等長等爆エキゾーストマニフォールドを採用するC型以降のモデルが有利ながら、「排気音は不等長が好み!」というユーザーには丸目が支持されている。ほかにもずっとスバル車に乗りつづけてきたユーザーは、愛用のホイールがPCD100であるがゆえに、あえてD型までのモデルを選ぶといった具合だ。
ちなみに筆者は、涙目のエクステリアが好きなことと、ホイールの選択肢が豊富なことから、E型が好みのアプライドだ。読者の皆さんの好みはどのGDBだろうか?