国産スポーツモデルにもファミリーユースをこなすモデルあり
スズキ・スイフト(同スポーツ)
スズキ・スイフトのマイルドハイブリッドモデルも、家族の反対などあり得ないキャラクターのファミリーカーの代表格だ。ホンダ・フィットほどの室内空間の広さはないものの、身長172cmの筆者のドライビングポジションを基準にすると、後席は頭上に100mm、膝まわりに160mmのスペースがあり、前席に夫婦、後席に子供という乗車フォーメーションなら、誰からも苦情は出ないはず。
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乗り心地と車内の静かさには定評があり、走っても微力ながらモーターが備わっているため、想定外のスムースさで加速する。パワーステアリングは低速域では軽く扱いやすく、奥さんが運転しても車両感覚のつかみやすさ、全方向の視界のよさ、小まわり性を含む扱いやすさもあり、きっと納得してくれるに違いなし。
スズキ得意の車体の軽量化とマイルドハイブリッドによって燃費性能も24.5km/L(WLTCモード)と文句なしで経済的だ。奥さんの財布の紐を緩ませるのに十分なスペックのもち主といっていい。
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そんなスイフトのイメージを家族に植え付けつつ、こっそり狙うのはいわゆるホットハッチのスイフトスポーツだ。価格はスイフトのマイルドハイブリッドモデルより若干高くなるものの、1.4リッターターボエンジンによる痛快な加速性能と、195/45R17サイズのタイヤに専用ブレーキシステム、モンロー製ショックアブソーバによるスポーツ度満点の操縦性が得られる。まさにコーナリングマシンと呼べる、欧州でも評価されるコンパクトスポーツなのである。
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乗り心地はスポーティになり車内の静かさも標準車に譲るものの、ファミリーカーとして納得できる範囲にある。ポイントは、パッと見標準スイフトとあまり変わらないこと。「スイフトを買うことにした」(パパ)「いいわよ」(ママ)という流れでスイフトスポーツを契約という、裏技的購入術はいかがだろうか。
スバル・レヴォーグ
アウトドア好きや愛犬家ファミリーにもおすすめの1台として、ステーションワゴンのスバル・レヴォーグがある。ポルシェと同じ水平対向エンジンによる独自のエンジンフィールや低重心極まる走行性能が魅力だが、後席のゆとりやラゲッジルームの広さ、使い勝手のよさも文句なし。そしてなんといっても、安心して家族を乗せられる最高峰の安全性能=アイサイトを備えている点も、財布を握る奥さんの理解を得やすいポイントとなるだろう。
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レヴォーグは全車でガソリン・4WD車となるが、おすすめはズバリSTI Sport EX(約441万円〜)だ。なにしろ、本革シートが奢られるほか、ハンズオフドライブやレーンチェンジアシスト、カーブ・料金所手前速度制御などの高度機能が備わるアイサイトX搭載車なのである。
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後席は身長172cmの筆者のドライビングポジション基準で頭上に130mm、膝まわりに175mmと、とくに膝まわりに余裕があり、ラゲッジルームはサブトランク込みで522リットルの大容量。開口部地上高が610mmと低く、奥さんが重い荷物を出し入れするのもらくらくだ。フロア幅は1080mmあり、ベビーカーやペットカートを横積み可能となっている。
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4WDだから、雨の日や雪の日のドライブ、悪路も安心安全なオールラウンダーでもある。余談だが、後席は国産車としては珍しい4:2:4分割。大型犬をやむなくラゲッジルームに乗せたとしても、中央部分をアームレストとして倒すことでラゲッジルームとキャビンの間にスルー空間ができ、後席エアコン吹き出し口からの冷風が届きやすくなるほか、見守りもしやすくなるという愛犬家にとってのメリットも見いだせる。
その上でスポーツワゴンとしての走りのよさを存分に味わえるのだから、WLTCモードで13.5km/Lの燃費性能はともかく、走り好きのパパはもちろん、家族や愛犬まで大いに納得できるオールマイティな1台になりうるというわけだ。