イチバン高いの買っときゃ間違いなし……とは限らない! むしろ中間&廉価グレードほほうがうま味たっぷりなクルマ5選 (2/2ページ)

コンパクトモデルこそベースモデルを選ぶべき!?

スバル・インプレッサ

 スバルの王道ハッチバックモデルであるインプレッサは、ガソリン車とe-BOXERと呼ばれるマイルドハイブリッドを用意する。アイサイトは全車に標準装備され、価格帯はガソリンモデル「ST」の274万円からe-BOXER搭載の「ST-H スタイルエディション」の351万円までとなる。クロストレックやフォレスターには2モーターのストロングハイブリッドが搭載され、スバル史上最高クラスといえる燃費性能を誇っているが、インプレッサへのストロングハイブリッド搭載は、いまのところなし。

 そこで注目すべきは、水平対向エンジンのガソリン車とマイルドハイブリッド車の燃費性能の差だ。WLTCモードで2WDの場合、ガソリン車は14.0km/L、e-BOXERは16.6km/Lと、それほど大きく変わらないのである。

 マイルドハイブリッドのモーターアシストは限定的で、タイヤは全車17インチ。11.6インチのセンターインフォメーションディスプレイも全車標準だ。ガソリン車でも水平対向エンジンの独自の魅力と爽快な走りを味わえるのだから、インプレッサは価格的なメリットのあるガソリン車を選んでもまったく問題ないというわけだ。

 おすすめは、ナビゲーション機能が特別装備されるSTブラックセレクション(305万円)、STスタイルセレクション(309万円)あたりだ。インプレッサのクロスオーバーモデルとなる、本格的な走破性を備えるAWD+Xモードのクロストレックが兄弟車にあるわけだから、都会的なハッチバックモデルのインプレッサは、安くてデキのいい2WDで乗るのがいい。

ホンダN-BOX

 日本でいちばん売れているクルマ、ホンダN-BOXは極めて多グレードだ。NA、ターボ、JOY、モノトーンなど2トーンを含め、全14車種ものラインアップを揃える。価格はもっともベーシックなN-BOXの173万円からカスタムターボ コーディネートスタイルの247万円までである。ここで冷静になってみると、ターボモデルとはいえ、軽自動車で250万円近いのはどうよ……ということになりはしないか。

 フィットのハイブリッドモデルのe:HEV HOMEが240万円、コンパクトSUVのWR-VのメイングレードZが239万円で手に入るのだからなおさらである。どうしても軽自動車じゃないと車庫に入らなかったり、近所の道が激狭いといったケースは別にして、駆動方式をFFに揃えても234万円はちょっと高すぎだろ、といいたくなる。

 筆者は、N-BOXは素のグレードでも十分と考える。先進運転支援機能のHonda SENSINGもしっかり装備されるし、ヘッドライトもちゃんとLED。基本装備はグレードを問わず充実しているのである。そして意外かもしれないが、ベースグレードのN-BOX、N-BOXモノトーン、2トーンともにホイールはスチールになるのだが、それがまたカッコイイ。モノトーン、2トーンになるとカラード+オフホワイトと、さらにオシャレになり、上級グレードのアルミホイールよりいい感じだと思う人も少なくないはずだ。

「N-BOXは売れに売れているだけに街にあふれているのが嫌」というなら、アウトドアテイストある、チェック柄のインテリアがオシャレで、シートアレンジ性にも優れた189万円からのN-BOX JOYを選ぶという手もあり。いずれにしても、スズキ・ハスラーなどもそうだが、ベースモデルでもしっかり作り込まれていて、商品性にも決して手抜きがないのが、日本が誇るいまの軽自動車ということだ。

 ここで紹介しきれなかったクルマでも、ベースグレードや中間グレードにこそ価値があるクルマはたくさんある。カタログやメーカーHPでは上級グレードが中心に紹介されていることがほとんどだが、スペック表、装備表をしっかりと読みこんで、自身の使いかたに合った、コスパのいいグレードを選んでほしい。


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青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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