ドライバーとアイサイトの共同作業
では、実際の操作で見てみましょう。
まず、普通に発進し巡航速度まで変速を行いながら加速します。BRZを含むスバル車では、ACCの操作はハンドルの付け根から生えたクルーズコントロールレバーで行う方式で、これはMT仕様でも同様です。巡航に入ったらレバー先端のクルーズスイッチを押してクルーズ機能をオンにします。
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ドア、シートベルト、シフトレバーの状態などいくつかの必要条件が満たされていればメーター内にクルーズスタンバイの表示が現れます。この状態でレバーをマイナスかプラス側に動かすと、ACCが発動します。始動時の車速から調整して任意の上限速度に設定すれば、あとはACC側で自動で加減速を行い、前走車がいれば減速しながらセットされた車間距離になるように追従機能が働いてくれるというわけです。
さて、AT仕様車であればこれでアクセルとブレーキの操作をACCに任せられるのですが、MT仕様ではそうはいきません。たとえば渋滞などで前走車が大きく減速した場合、そのまま何もしないとACCがスロットルを閉じ、ブレーキを作動させて減速します。じきにギヤの守備範囲を超えて回転が下がりすぎてしまいますので、下がりすぎないように適切なギヤへの変速作業が必要です。変速を行っている間、ACCはそれを感知して「待て」の状態になり、スロットルはオフになります。通常のMT操作同様に回転を合わせてクラッチをつなぐと、そこで再びACCが動作して追従機能を再開するという感じです。
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要するに、クラッチがつながっている間は、そのギヤでできる範囲でACCがスロットルとブレーキで速度をコントロールしてくれますが、クラッチを切っている状態ではスタンバイになるという認識でいいでしょう。追従モードの運転中は、どことなくACCと共同作業をしている気分になりました。むしろドライバー側がACCに対してシフト操作でアシストしている感覚です。
ちなみにギヤが1速(もちろんリバースも)および車速が30km/h以下ではクルーズコントロールが作動しません。ACC作動状態から減速していき30km/hに差しかかった場合は、少し下まわっても維持してくれますが、27〜25km辺りになると解除されるようです。
BRZは低回転から厚いトルクが出ているため、2500回転を目安にシフトダウンを行えば、最少限のシフト頻度で済むため、運転は楽ちんです。ただ、30km/h以下のペースの渋滞では、ふつうのMT車と同じ苦労を味わうことになりますが……。
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このように、BRZではMT仕様にACCを上手に組み込んだという印象で、これならスポーツ系の車種でもより気軽に遠乗りができそうだと感じました。絶滅危惧のMT車にリソースを割いてくれているメーカーに感謝です。