もし発売されていたらランボルギーニの歴史が変わっていた! ザガート・ラプターという幻の分岐点 (2/2ページ)

ランボルギーニの歴史の分岐点になっていたかもしれない1台

 このキャノピードアは、ザガートによってカーボンファイバー製のオリジナルボディが架装されたことで実現されたのはいわずもがな。ザガートはこのスタイリングをCAD(コンピュータ設計)のフル活用によって極めて短期間で開発したとされており、現在では当たり前となったデジタル開発の先駆けとして注目を集めた。

 もちろんザガートがカーボンファイバー製オリジナルボディを架装した背景には、キャノピードアを採用したエレガントなスタイリングの実現だけではなく、軽量化があったことは間違いない。実際のところ、内装の簡素化などもあわせ、ザガート・ラプターの車重はディアブロよりも大幅に軽量な1300kg台に抑えられていたとされる。

 ザガート・ラプターの詳細なスペックは公表されていないが、この軽量化とV12の組み合わせであれば、そのパフォーマンスはベース車のディアブロVTを大きく凌いでいたことは間違いないところだろう。

 このように、ザガート・ラプターはこれだけの高い完成度を誇っていた。にもかかわらず、コンセプトカーのままで終わってしまった。それにはさまざまな理由があったとされるが、いまとなってはその真相を知ることは不可能だ。

 スーパーカーの世界では、「もし発売されていたら」と語られるモデルは少なくないが、このザガート・ラプターもまさにそんな1台だ。もしも市販モデルとして結実していたら、ランボルギーニの歴史は大きく変わっていたかもしれない。フェラーリとピニンファリーナのような関係がランボルギーニとザガートの間でも築かられていたとしたら、ランボルギーニはウェッジシェイプ路線からエレガント路線にデザインの方向性そのものが変わっており、流線型フォルムのムルシエラゴやアヴェンタドールが誕生していた可能性すらあるのだ。

 市販化されなかったからこそ語り継がれる存在となったザガート・ラプター。それは、スーパーカーの歴史における幻の分岐点だったのかもしれない。


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