わずかな隙間がめちゃくちゃ重要だった! トラックのキャビンと荷室の間が空いているワケ (2/2ページ)

トレーラーではさらに重要に

 このほかにも隙間は安全確保という一面もある。たとえば急ブレーキをかけたり衝突したりした際、荷室のなかの重い荷物が慣性で前方に押し寄せることがある。このとき、キャビンと荷室の間に一定の距離があることで、荷室がキャビンを押し潰すまでの「クッション」の役割を果たし、ドライバーの生存空間を確保する設計になっている。

 では、これがトレーラーになった場合はどうだろうか。バンタイプや平ボディのトラックよりもかなり広く隙間が設けられている。これは旋回時の内角を確保するためという理由だ。トレーラーの最大の特徴は、トラクタ(頭)とトレーラー(台車)が折れ曲がって曲がることだが、右左折やバックで大きくハンドルを切った際、トラクタのキャビン後部とトレーラーのフロント部分がぶつからないように、十分なクリアランスが用意されている。

 また、段差やスロープでの縦の動きも関係している。道路がすべて平面なら問題ないのだが、傾斜や段差などでトラクタとトレーラーがくの字や「逆くの字」になる場面がある。こうした場面で前後方向の傾斜が起きた際、隙間に余裕がないとキャビンの屋根や背面にトレーラーの前端が乗り上げてしまう危険がある。こうした動きをしたときも、キャビンや荷室が損傷しないために隙間が必要なのだ。

 さらにトレーラーならではの装備にトラクタとトレーラーを繋ぐ電気配線やブレーキ用のエアホースがある。そしてこれらはキャビン背面の隙間に設置されていて、旋回時にホースが突っ張ってちぎれないよう、ホースには螺旋状のゆとりをもたせてあるのだが、このホースが自由に動けるスペースとしても重要なのがあの隙間だ。

 あの隙間がなければ、もっと荷室やキャビンを大きくできるのでは? と考える人もいるだろうが、あの隙間があってこそトラックの性能や安全が確保されるということだ。


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