軽自動車のサイズを大きくするのは難しい
続いて8年後に、エンジン排気量はそのまま、車体全長と全幅を拡大している。これは、追突や側面衝突なども視野に、クルマ全方位での衝撃吸収性能を高めるためだ。
スズキ・ワゴンRののフロントスタイリング画像はこちら
ここから今日まで、軽自動車規格は30年近く変更されずにきている。
かたや、登録車は3ナンバー車種が増え、新車が出るたびに大型化し、大衆車の1台として歴史を積み重ねてきたトヨタ・カローラでさえ、現行車はすべて3ナンバーになった。衝突安全の視点に立てば、登録車の大型化傾向に応じて軽自動車の車体も大柄になることが視野に入るかもしれない。
一方、カローラでさえ5ナンバーの選択肢がなくなった今日、日常の用途としてクルマを利用する場合、路地でのすれ違いや、車庫入れなど含め、日本の道路や駐車事情に適した車種は不可欠だ。国内の道路は、道幅が4mであるべきと決まっている。しかしながら、旧い市街や住宅地には、3.6m前後の道路がまだ残っており、それらは必ずしも一方通行ではない。
狭い道でのすれ違い画像はこちら
現在の軽自動車枠の車幅は、1.48m以下で、2台並んだ際の寸法は2.96mになる。互いに両脇にわずかなゆとりをみてすれ違うことを想定すると、3.6m道路では余裕が20cmほどと計算できる。運転席からの見通しでは、もしかしたら接触してしまうかもしれないと思えるほどの近さだろう。
つまり、現実の道路環境からすれば、現行の軽自動車の車体寸法は、国内すべての道路が4m規格を達成するまで、変更は難しいとの実態がみえてくる。
ホンダN-BOXの並び画像はこちら
また、自動ブレーキの装備が進み、衝突事故の可能性は下がりつつある。ぶつかってからの心配をする以前に、ぶつからないような装備を充実・普及させ、小さなクルマの原点として、軽自動車を日々安心して利用できるようにする道筋が適しているのではないだろうか。