中国ではよく見かけるなぁというクルマは地域ごとに変わる
たとえば2025暦年締めにてもっとも中国で売れたNEV(新エネルギー車/BEV[バッテリー電気自動車]やPHEV[プラグインハイブリッド車]など)は、BYDオート(比亜迪汽車)のコンパクトハッチバックスタイルのBEVシーガル(海鴎)で、52万9537台を販売した。一方、ガソリン(汽油)車では東風日産のシルフィ(軒逸)が31万4528台でトップとなっているので、ここではシーガルを2025年にもっとも中国で売れたモデルとする。総新車販売台数が3440万台なので、全体に占めるシーガルの割合は約1.5%となる。
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一方、N-BOXは2025暦年締め年間販売台数は20万1354台。2025暦年締めでの日本における総新車販売台数は456万5503台なので、新車販売全体におけるN-BOXの割合は約4.4%となっていた。日本で販売されている日系乗用ブランドは9つなのに対し、中国では沿岸地域など広く市場進出していない内陸地域の零細メーカーも含めるとまさに星の数ほどメーカーがあるのでそもそも単純比較はできないのだが、国土も広くメーカーも無数にあるなかでは国民的人気車というものは育ちにくいのではないかと筆者は考えている。
外資系モデルが中国の自動車市場をけん引していたころには、多くの都市で上海VW(フォルクスワーゲン/上海大衆)のサンタナがタクシーとしても活躍しており、どこへ行っても多く見かけることができた。VWが会場でサンタナや、北京市内でかつてはタクシーとしてよく見かけた一汽VWのジェッタを会場展示していれば「懐かしい」と思う中国のひともいるだろうが、メルセデス・ベンツSクラスやBMW02シリーズ、初代アコードでは、「???」と思うひとばかりなのではないかと感じてしまった。
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広大な国土をもち、人口は14億人ほどおり、我われから見れば同じ言語に聞こえてもお互い北京語で会話しないと会話が成立しないことも多いのが中国。消費者の多様性が進むなか、自国系自動車メーカーが多数あることを考えると、今後は博物館や旧車展示されても訪れた誰もが懐かしいと感じる国民的モデルというものは成立しにくく、そのため個別の車種にとくにこだわることはなく、多品種構成で各メーカーもブランド全体にて販売台数を積み上げていくことになるだろう。
消費者も、中国全土での人気車ということに強いこだわりは見せないものと考えている(北京はどちらかというとセダン需要がまだまだ旺盛に見えるなど地域での趣向性の違いも大きいようだ)。ただ、地元メーカーということはある程度意識されていくことは今後も目立っていくのではないかと考えている。