用語の背景にはクルマが歩んできた歴史も関係している
④:ダッシュボード
「ダッシュボード(Dash-board)」は、メーターや操作盤を収めた「インストルメントパネル」を含め、車内のフロントウインドウ下部にある大きなブロック全体を指す単語です。
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その語源は、自動車が普及する前の馬車の時代に遡ります。馬が走る際に蹴り上げる泥や小石(dash)が、御者や乗客に飛んでくるのを防ぐために装着された板(board)のことを、Dashboardと呼び始めたようです。
動力が蒸気機関や内燃機関に変わってからも馬車の車体形状が引き継がれたため、そのボードにハンドルやレバーなどが装着されるようになり、徐々に変化しながら現在の形になりました。
⑤:グローブボックス
「グローブボックス(Glove-box)」は、助手席の正面にある収納部のことです。直訳すると「手袋の箱」となりますが、由来もそのままの意味で、運転用のグローブを入れておく箱(収納)として定着した言葉のようです。
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当時の自動車は、ハンドルやレバーなどが鉄や木で出来ており、しかもそれらをしっかりと保持したりキックバックに耐えたりする必要があったため、運転にグローブが必須だったようです。また、エンジンなど機関の信頼性が低かった時代は、出先で保守点検をする頻度も高かったようで、そうした意味でもグローブが欠かせなかったのでしょう。
⑥:トノカバー
これもハッチバック車のユーザーが頻繁に使う単語ですが、由来を知っている人は少ないのではないでしょうか。「トノカバー」の「トノ」は、昔の偉い人(殿)のことではありません。語源はフランス語の「tonneau(トノー)」で、樽を指す単語です。
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樽と聞いてもあまりピンと来ませんが、昔(19世紀初頭)の乗用車は後部座席のスペースが樽のような形をしていたことから、自動車の「後部座席」や「オープンカーの後部エリア」を指す言葉として定着したようです。当時はオープンカーの座席を覆うカバーをそう呼んでいましたが、だんだんと意味合いが変化し、現在のように荷室の目隠しカバーがそう呼ばれるようになりました。
このように、自動車の各部の名称にはいろいろな由来をもつ単語が使われており、それをひとつひとつ掘り下げていくのもまた楽しい作業です。由来を調べながら、クルマの歴史や成り立ちに思いを馳せてみてはいかがでしょうか。