シビックなのにカンガルーバー! 2年を待たずに消滅した「シビックシャトル」という異色のSUV (2/2ページ)

RVブームに乗っかるも短命に終わる

 この4代目「シビックシャトル」は、1991年9月に3ドアハッチバックと4ドアセダンが5代目へフルモデルチェンジしても、販売が継続される。そのころに前後して日本ではバブル経済の崩壊が始まり、自動車業界では1991年1月に2代目三菱パジェロが誕生したことなどを契機として空前の「RVブーム」が沸き起こるなか、ホンダはそのいずれにも有効な手立てを打てず、創業以来の経営危機に陥り始めていた。

 そうした時代背景のなかで1994年6月に誕生したのが、「シビックシャトルビーグル」だ。

「ビーグル」は「シビックシャトル」の最上級グレード「RTi」(4WD車のみ設定)をベースに、専用の下側がアーバングレー・メタリックの2トーンカラー、明るいグレー色のファブリック内装を採用。

 さらに、当時大流行していたカンガルーバーに倣ったアルミ製バンパーガード&アンダーガード、φ180・55WのPIAA製大型フォグランプ、リヤフォグランプ、前後マッドガード、175/70R14スチールラジアルタイヤ&5本スポークアルミホイール、フィン付きワイパーブレードを標準装備した(ルーフレールはベース車に標準装備)。

 これらにより、元来備えていた高い実用性と居住性、悪路走破性に加え、RVらしい内外装スタイルを与えることに成功している。

 また、オートエアコンやAM/FMカセットステレオ(CDチェンジャーコントロール機能内蔵)+4スピーカーといった快適装備も充実させながら、車両本体価格を5速MT車で169万円、4速AT車で178万3000円に設定。装備を絞り込んだ「ビーグル・X」では同じく149万円/158万3000円とさらに安価なものにするなど、「ビーグル」はお買い得モデルとしてのポジションも与えられていた。

 しかし1996年2月、6代目シビックをベースとしたステーションワゴン「オルティア」と入れ替わる形で、「シビックシャトル」自体が販売を終了。「ビーグル」もわずか1年8カ月のモデルライフを終えた。

 以後、日本向けのホンダ車で、カンガルーバーを標準装備したモデルは現れていない。


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遠藤正賢 ENDO MASAKATSU

自動車・業界ジャーナリスト/編集

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