台湾「ホンハイ」の狙いは三菱ふそうのエンジン技術か!? 両者が設立した新メーカー「FUSO BUS」が送り出す車両とは (2/2ページ)

中国ではバスの世界でもPHEVが流行り

 2026年春に中国の首都北京を訪れると、市内には相変わらず多くのBEV路線バスが走っていた。しかしそれらの多くはコロナ禍前の2018年に訪れたころに見かけた車両がそのまま運行を続けているような、少しくたびれた雰囲気を見せていた。新型らしき車両にはEVではなく「PLUG IN」とボディサイドに書かれていた。つまり新型車両はエンジンを搭載しているのである。上海はそもそもPLUG INタイプのバスが目立っていたのだが、北京市はBEVバスを積極的に導入していたので2026年に訪れたときに何かトレンドが変わっていると強く感じた。

 北京市であれ上海市であれ、見ている限りはエンジンが始動している様子はなく、ほぼEV走行しているようであった。まだ人民服を着て自転車ばかりが走っていたころ、中国の主要都市の中心市街地ではトロリーバス(電車のように街なかに張り巡らされた電線からパンタグラフを通して電気を供給して運行するバス)が走っており、今もこのインフラを活用したパンタグラフをもつバスが走っているのだが、いまどきは蓄電池を搭載しており、バスが郊外に向かい電線がなくなるとパンタグラフを収納して、蓄電池に蓄えていた電気にて走行を続ける車両を北京や上海にて見かけた。

 都市の拡大が進み、路線バスの運行距離も長くなるなか、「北京市内ではPLUG INバスが増えてきているのかなあ」などと、勝手に筆者は考えている。

 ちなみに2026年春に開催された、北京モーターショー内中国系ブランドブースのトレンドは、レンジエクステンダーEVであった。1.5リッターターボエンジンが多いのだが、これを発電用に搭載したモデルの展示が多くのブランドで目立っていた。

 ホンハイもそのあたりのトレンドを敏感に捉えて今回の新会社設立というか、三菱ふそうへラブコールを送ったのではないかとする見方もあるようだ。

 もうひとつは、ホンハイのBEVバス「モデルT」はそもそも四角いバスをさらに鋭角に四角くしたような外観を採用し、インパクトが大きいのは結構なのだが、業界関係者からはバス車両として見るといろいろいいたいところがあるとの話もよく聞く。筆者もすでに台湾最大都市・台北市内で複数回「モデルT」に乗客として乗ったことがあるのだが、インバーターの音が目立つこともあるし、見た目のインパクトの大きさに対し、いざ乗ってみると「?」ということを強く感じた。

 それもあるのか、台北市内ではほかのBEV路線バスに比べると、「モデルT」があまり増えていないように見えた。バスとしてのブラッシュアップを図りたいというところからも、三菱ふそうと協業して日本国内でバスを作る決断をしたのかもしれない。

 事業内容では国内外市場向け……としている。海外、とくに東南アジアにおける三菱ふそうのブランド力には絶大なものがある。たとえスリーダイヤを付けることができなくても、三菱ふそうが絡んでいるというだけで販売促進力は数倍高まることになるだろう。

 バス愛好家からは新会社でBEV路線バスのほかICE路線バスの開発や製造も事業内容に入っていることから、三菱ふそうブランドのICE路線バス「エアロスター」が終売になってしまうのでは? と不安視する声も出ている。FUSO BUSの誕生が日本のバス業界にどのような新風を巻き起こすことになるのか、今後も注意深く見ていくことにする。


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小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

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