この記事をまとめると
■レッドブルのRB8がマドリード地下鉄の線路を史上初めて走行
■線路に対応するため29 8kgの特注金属製ホイールを開発
■マドリードGP復活を記念し地下鉄との異例のコラボを実現
F1マシンがアスファルトを飛び出した
オラクル・レッドブル・レーシングは、活躍の舞台をアスファルトから地下へと移し、2度のタイトルを獲得した「RB8」をマドリード・メトロの線路上で走行させるという、史上初の試みを敢行した。ヒマラヤの山々から死海のほとりまで、これまでF1の興奮をあらゆる場所に届けてきた同チームにとっても、薄暗く狭い地下トンネルだけは足を踏み入れたことのない未知の領域だったという。
レッドブル「RB8」が地下鉄線路を轟音走行画像はこちら
45年ぶりにスペイングランプリがマドリードに戻ってくることを記念して実施された今回の挑戦。完成したばかりのマドリング・サーキットには新たな地下鉄駅が設けられ、ファンは地下鉄を使って会場へアクセスできるようになる。1981年以来となるマドリード開催のグランプリに、数千人規模の観客が地下鉄経由で駆けつけることになりそうだ。
F1マシンを地下鉄の線路上で走らせるというアイディアは、これまで誰も挑んだことのない前例のない工学的挑戦だった。オラクル・レッドブル・レーシングは、スペインのエンジニアリング&クリエイティブ集団「Andtonic」とタッグを組み、カニジェハスのワークショップでこの野心的なプロジェクトに着手した。
最大の課題となったのが、線路の規格に適合するホイールの開発だ。標準的なF1用ホイールのじつに2倍もの重量となる、29.8kgの特注金属製ホイールを新たに設計・製造。これをRB8に装着することで、モータースポーツマシンを鉄路走行に対応させるという離れ業を実現した。
レッドブル「RB8」が地下鉄線路を轟音走行画像はこちら
コクピットに乗り込んだのは、オラクル・レッドブル・レーシングのショーランドライバーを務める元F1ドライバー、パトリック・フリーザッハーだ。鉄製ホイールを履いたRB8は、閉鎖されたマドリード地下鉄の路線網を轟音とともに走り抜け、エスタディオ・メトロポリターノ駅やサセダル、チャマルティンの車両基地の脇を通過していった。
フリーザッハーは「履歴書に地下鉄ドライバーと書き加えられるのは痛快だ」と、興奮した様子で振り返っている。この歴史的な挑戦は、レッドブルとマドリングのパートナーシップの一環として、マドリード地下鉄の協力のもとで実現したものだ。アスファルトの上だけがF1の舞台ではないことを印象づける一幕となった。