「ルノーはなぜこんなにクルマ作りが上手いのか?」ドリキンがメガーヌR.S.とアルピーヌA110を乗り比べて唸った理由【土屋圭市 峠賛歌】 (2/2ページ)

MRでも前輪の手応えにシッカリ感が十分ある!

 さて、今度はA110の番だ。これは、オレもかなりお気に入りのクルマなんだよね。とにかく、ドライビングが楽しい。峠でもだけど、サーキットにもっていってもサイコーにゴキゲンだからね。

 今回は、ふたつある上級仕様のうち、スポーツに振ったほうのA110Sだ。快適志向のGTよりちょっとタイヤが太くて、スプリングやスタビライザーがハードで、バケットシートとマイクロファイバーのステアリングが付いて、10kg軽い。ちなみにトップグレードのRは、リヤウインドウもルームミラーもなくて、シャシーもよりハードなサーキットマシンみたいなものになるんだけど、エンジンはどれも300馬力/340N・m仕様。標準仕様のA110だけが252馬力/320N・mになる。

 とはいえ、A110やGTでも1120kg、SやRは1110kgしかないからね。メガーヌよりトルクが細いなんて思えないくらい加速は鋭くて、軽さは正義だって教えてくれる。現代のクルマでこの軽さはスゴイよ。足も固いはずなんだけど、これだけ軽いとしなやかに動いてくれるから、乗り心地もぜんぜん悪くないし。

 さらにスゴイのが、ミッドシップでありながらFRみたいに走れること。44:56っていう前後重量配分のよさもあって、前輪にしっかり荷重がかかった、バランスのいいハンドリングを見せてくれる。限界も高いし、ミッドシップを意識しないで乗れるミッドシップだよ。NSXがNA1からNA2に進化したときを思い出すね。

 そしてエンジン。気もちよくまわるんだな、これがまた。1.8リッターで300馬力って数字もさることながら、音もいいし、フィーリングもお見事。ルノースポールを統合したアルピーヌは、EV化を推し進めるっていう話だけど、こんな立派なエンジンはハイブリッドにしてでも残してほしいな。欧州のEVシフトが予定より遅れてるし、しばらくはなくならないと、オレは期待してるけどね。

 それにしても、MRのA110でも、FFのメガーヌでも、繰り返しになるけど、ルノーはクルマづくりが上手いってつくづく感じたね。ホント、どっちもよくできてる。できればメガーヌRSが残ってるうちに、今度はサーキットで2台を乗り比べたいな。峠でも楽しいけど、これだけのポテンシャル、公道で使うだけじゃもったいない! って思うんだよなぁ。

※本記事は雑誌「CARトップ2025年3月号」の記事を再構成して掲載しています


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