すでに納期は3カ月以上! 新型スバルXVを日本で正式発表(動画あり)  (2/3ページ)

構造用接着剤を多用しボディ剛性を大幅に向上

 ボディカラーは、戦闘機の迷彩色をモチーフにした「クールグレーカーキ」、先代に用意されていた「タンジェリンオレンジ・パール」よりも鮮やかな発色をソリッド色で目指したという「サンシャインオレンジ」の2色が新色。

 そのほか「クォーツブルー・パール」、「ダークブルー・パール」、「アイスシルバー・メタリック」、「ダークグレー・メタリック」、「ピュアレッド」、「クリスタルホワイト・パール」、「クリスタルブラック・シリカ」の7色、計9色が全グレードで選択できる。

 インテリアでは、1.6リッター車、「2.0i-Lアイサイト」、「2.0i-Sアイサイト」に標準装備されるシートの表皮が、柄はそれぞれ異なるもののすべてトリコットとされたほか、2リッター車に標準の内装及び「1.6iアイサイト」以外にオプション設定される「ブラックレザーセレクション」のシート及びインパネのステッチ色が、ホワイトからオレンジへと変更された。だが基本設計は、荷室を含めてインプレッサと共通だ。

 ボディ、シャーシには前述のとおりSGPを採用することで、先代に対しフロント車体曲げ剛性を90%、車体ねじり剛性を70%、フロントサスペンション剛性を70%、リヤサブフレーム剛性を100%向上させたほか、旋回時にアンダーステアを検出するとコーナー内輪側にブレーキをかける「アクティブ・トルク・ベクタリング」を全車標準装備にすることで、ライントレース性を高め、ステアリングの切りすぎとそれに伴う修正舵を最小限に抑制した。

 また、各骨格のつながりを滑らかにしたほか、構造用接着剤を多用。アッパーボディとフロアの骨格をインナーパネルで結合し、リヤフレームの板組みを見直して骨格同士の連続性を高めることで、車体ねじり剛性を70%、車体固有振動数を30%向上させた。

 さらに、フロントストラット式サスペンションのマスオフセット量(キングピン軸とホイールセンター間の距離)を15%短縮し、ステアリングやフロア、シートの振動を大幅に低減。サスペンション取り付け部の剛性を高めたほか、リヤスタビライザーの取り付け点をサブフレームから車体への直付けに変更して、車体の揺れを50%低減している。

 なお、従来のプラットフォームはインプレッサありきで設計され、XVはそれをベーストレッド拡大や最低地上高アップなどの変更が加えられていたが、サスペンションジオメトリーの狂いが両車で発生しないよう、SGPはより車高が高くトレッドが広いXVを基本として設計されている。

 パワートレインはインプレッサとほぼ共通で、エンジンは前述のとおり2リッター直噴NA「FB20」型と1.6リッターNA「FB16」型の2種類。トランスミッションはCVTのみで、駆動方式はFFとAWDが設定されているインプレッサに対し、XVはAWDのみとなる。

 ただしこのAWD、センターデフに油圧多板クラッチを使用し、路面や走行状況に応じて前後トルク配分を変更する「アクティブトルクスプリットAWD」を搭載している点はインプレッサと共通だが、フォレスターやアウトバックに採用されている「X-MODE」を「1.6iアイサイト」以外のグレードに標準装備。

 エンジン、トランスミッション、AWD、VDC(横滑り防止装置)を統合制御するほか、急な下り坂で車速を維持する「ヒルディセントコントロール」を組み合わせることで、悪路や雪道、急斜面も安全かつ短時間で走破できるよう進化させている。

  


遠藤正賢 ENDO MASAKATSU

自動車・業界ジャーナリスト/編集

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