スポーツモデル=MTの時代は終わった! あえてATを勧めたいクルマとそれでもMTで乗るべきクルマ (2/3ページ)

激戦区の1500cc以下はATもMTも多種多様

●1500cc以下

・どちらでもいい

 このクラスのスポーツモデルはスポーツエンジンではなく実用エンジンにMTを組み合わせているクルマも多く、ターボ車もあるのでATで乗ったほうがいいクルマも増えてくる。具体的な車名としてホンダ・フィットRS、スズキ・スイフトスポーツが挙がる。

 とくにスイフトスポーツはMTの良さもあるのだが、期待値が大きいとシフトフィールやクラッチフィールがそれほど良くないのも否めない。対照的にスイフトスポーツの6速ATはアクセル操作に対するレスポンスに不満はなく、シフトアップ&ダウンが素早い上に(シフトダウンでは回転を合わせるためのブリッピングも行われる)、トルクの太い1.4リッターターボエンジンとの相性もいい。そのためスイフトスポーツはMTも含め先行車追従型のアダプティブクルーズコントロールを選べることもあり、6速AT車をGTカー的に使うというのもいい選択だ。

・ATを勧めたい

 ATを勧めたいのはCVTを使うトヨタ・ヴィッツのスポーツモデルであるGRだ。というのもヴィッツGRのMTは5速でギヤ比が離れ気味なのもあり、動力性能が限られる1.5リッターNAエンジンと組み合わせると上り坂などで失速感があるのに加え、シフトフィールもあまりよくない。

 それに対しCVTモデルは、CVTながらアクセル操作に対するレスポンスは非常にダイレクトなのに加え、スポーツ走行では常時高回転を維持することもできるためMTよりおそらく速い。そのうえ、MTモードは超クロスレシオの10速なのでF1の車載映像のような素早いギヤチェンジまで楽しめる。ここまでCVTのメリットが多いと、よほどのこだわりがない限り、シフト操作は手間でもあるMTよりCVTを勧めたくなる。

・MTを勧めたい

 MTを勧めたいのは1.5リッターNAエンジンを積むソフトトップのマツダ・ロードスターだ。ロードスターは6速ATで、レスポンスやシフトのスピードも申し分なくよくできている。スポーツエンジンながら低速トルクが細いわけでもないのだが、どうも今ひとつかったるい。それに対し6速MTはクラッチは扱いやすくシフトフィールも素晴らしいので、ソフトトップのロードスターならクルマのコンセプト通りにMTでギヤチェンジも楽しみのひとつとして乗るのを勧めたい。


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