【じつは売れないってわかってる?】アメリカで成功するも日本でウケない国産車を販売するワケ(後編) (1/2ページ)

数は少なくても顧客の要望がある以上販売現場は売りたい

 トヨタのカムリ、ホンダのアコード。両車はアメリカで年販30万台レベルのロングセラーとして、アメリカ人の生活に馴染んできた。この分野が、Dセグメントセダンだ。もうひとまわり小さいモデルとして、トヨタはカローラ、ホンダはシビックがあり、これらがCセグメント。両方を合わせて、自動車メーカーではC/Dセグメントと呼ぶ。

 日本の自動車メーカーにとって、このC/Dセグメントが世界標準車であり、日本でも当然販売されてきた。だが、日本は世界市場のなかでもっとも早く『セダン離れ』が進み、Cセグメントではシビックセダンが消え、またカローラは日本の道路環境に合わせて北米市場と比べて大幅な変更が施された。

 一方のDセグメントでは、カムリとアコードは導入されてはいるが『セダン=おやじクルマ』といった風潮をメディアが煽ることもあり、販売数は限定的だ。日産では、中国市場を最重要視したDセグメントのティアナも、あえなく姿を消している。

 そもそも、自動車メーカー側としては、こうした事態に陥ることを十分に承知している。だが、全国各地のディーラーからは、既存のDセグメント顧客を維持するために、日本でのモデル継続は必要との声がメーカー本社に数多く届く。メーカーとしては、ブランド全体の販売数維持のため、ある程度はディーラーの要望を受け入れざるを得ない。

 その結果、日本では(それほど多くの数が)売れないことはわかっているのに……、海外市場メインのクルマを日本でも販売することになる。


桃田健史 MOMOTA KENJI

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