【試乗】東京-北海道を2000km走破! 三菱デリカD:5は唯一無二の最強マルチカーだった (1/2ページ)

ディーゼルの大トルクは街中から高速まで走りにゆとりを生む

 クルマというのは不思議なものだ。ヒットするモデルが出ればほかの他メーカーも追随し、数車種が同じ土俵で争うことになる。一方で、唯一無二の存在として確固としたブランドを築くクルマも存在。誰もキャッチアップできず、独自の世界感で君臨するモデルだ。今回試乗した三菱デリカD:5がまさにそれだ。

 デリカD:5は果たしてどのカテゴリーに入れればいいのかですら迷う。乗車定員で考えればミニバン、走りでいえばSUV、それもオフロード四駆といっていいもの。そう考えるとデリカD:5は一挙両得のお買い得なクルマに思える。果たしてそれは正しいのか? 東京ー北海道の自走往復ツーリングにて検証してみた。

 今回、スタッフの同行を含めて、デリカは基本4人乗車。北海道の往復ということで、車中泊を含めて4泊ほどの結構な荷物を積載したが、とくに3列目シートを畳まずとも積むことができた。これなら車内の居住スペースを有効に使用できる。

 いざ出発。いきなり出足の鋭さに驚かされる。そう、デリカD:5は2.2リッターのディーゼルエンジンを積む。ミニバンとしてみれば、ディーゼルモデルはデリカD:5しか存在しない。今回は基本4人乗車+荷物であり、フル乗車とはいかなかったが、最大トルク380N・mは、そんなものものともしないであろうことは想像に難くない。続いて首都高を抜けて高速へとクルマを進めるが、追い越し加速や、合流時の「今欲しい」という瞬間的なアクセル操作にシッカリとクルマは反応し、グイッと前に出てくれる。こうした特性は運転していて非常にストレスがない。これにはビッグマイナーチェンジで6速から8速へとATが多段化したことも寄与している。

 そんなディーゼルといえばガソリンエンジンに比べて、低中回転域のトルクが大きい反面、高速域での伸びがネックと言われる。実際クローズドコースなどで何台ものディーゼル車に試乗した経験では、その特性に間違いはない。だが今回、埼玉県の浦和から青森まで、東北道を完全走破したため120km/h区間も走行したが、少なくともその速度域までで不満を感じることはなかった。つまり日本の公道ではどこを走ってもパワートレインの面で不足はないということだ。

 もうひとつ、高速走行を通して特筆すべき項目がクルーズコントロールだ。設定速度は135km/hであり、120km/h区間でもメーター読みでなく「実測」120km/h走行が可能。前述のとおりゆとりのあるパワーユニットにより、混雑のあとの再加速も鋭いために後続車にストレスを感じさせることもなければ、微妙なタイミングと間隔で割り込まれることも少なく、実用性の高い装備であると実感できた。


石田貴臣 ISHIDA TAKAOMI

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