【既存オーナーには悲報!】フルモデルチェンジじゃないのに走りや見た目が激変したクルマ4選 (2/2ページ)

大胆なイメージチェンジを成功させたモデルも存在!

3)ホンダ・ジェイド

 ホンダ・ジェイドはストリームの後継車として2015年2月に発売された、比較的コンパクトで低全高のミニバンだった。しかし、2列目席キャプテンシート、狭すぎる3列目席、時代のミニバンニーズがステップワゴンクラスのMクラスボックス型に移行していたこともあって販売は大苦戦した。一時は消滅の危機にもさらされたものの、2018年5月にマイナーチェンジを断行。

 そこで登場したのが、アジア市場にあった2列シートモデル=RSだ。ガソリン車とHVを用意し、全車にホンダセンシングを搭載。2列シート化したことでパッケージ面も刷新。3人掛け6:4分割可倒式の後席は固定式だが、厚みあるクッションを持つ左右席の掛け心地は心地良く、ひざまわり空間はなんとレジェンドより広く、同カテゴリーのスバル・レヴォーグを圧倒! ラゲッジは奥行き92cm、幅99~134cm、天井高92cmと本格ワゴン並みとなり、かつてのアコードワゴンを思わせる使い勝手の良さが際立つ仕様となっている。

 走行性能にしても、RSのHVはガソリン車と車重、足まわりなど同一ながら、7速セミATのダイレクト感とモータートルクによってアクセルレスポンス、トルク感のツキが増し、一段と軽快で静かかつ、爽快な運転感覚とマイルドな乗り心地を示してくれるようになった。

4)マツダMAZDA2

 MAZDA2とは聞きなれない車名かもしれないが、マツダの新戦略によって数字の車名に統一された一環で、デミオがMAZDA2と車名変更したというわけだ。そのマイナーチェンジのタイミングで、デミオ、いや違った、MAZDA2は、マイナーチェンジらしからぬ大きな進化を遂げている。まずはエクステリアデザインで、最新のマツダ車に共通する大型フロントグリルを採用。おかげでより低く構えたツラ構えになっている。リヤビューも、リヤコンビランプが新しい。

 もちろん、インテリアにも手が入っている。シートはMAZDA3から採用されている、ドライバーの骨盤を立てて背中のS字カーブにフィットさせる高反発ウレタンを使った、表皮の素材を一新した新シートが奢られているのだ(基本構造はデミオのもので、完全新設計のMAZDA3のシートとは異なる)。6WAYの2名分のメモリーが付くパワーシートの設定も、国産コンパクトカーとしてはめずらしく、MAZDA2の”上質なパーソナルカー”というコンセプトを反映した装備となっているのだ。

 日々、改良に余念のないマツダだけに、走行性能にかかわるアップデートにもぬかりはない。前後サスペンション、パワーステアリング、タイヤ、そして最新制御のGVC(G-ベクタリングコントロール)といった部分までもが新しいのだからすごい。

 先進運転支援装備も進化した。デミオは国産コンパクトカーとしていち早くACC(アダプティブクルーズコントロール)やブラインドスポットモニタリングを採用しているが、MAZDA2となって、そのACCの作動範囲を、デミオの約30km/h~115km/hから、0km/h~115km/hにアップデート。つまり、渋滞追従型となり、60km/h以上で作動するレーンキープ機能まで用意している。アダプティブLEDヘッドライトに関しては、片側20分割となり、対向車がいた際のハイビーム維持性能、カーブでの配光性能を高めているというのだから、進化の度合いは極めて大きい。

 それだけではない。静粛性の向上にも手抜きなし。たとえば、天井内張り材の吸音性能を35%増しとし、ドアを閉めた際の音の収束性を高め、同時に車内の反射音まで低減させているのだ。新タイヤは、タイヤのパターンノイズをよりすっきりとしたものにしているぐらいで、MAZDA2は単なる車名変更にとどまらない、ビッグチェンジと呼べる進化ということになる。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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