数多くのモデルが誕生! トヨタ・グランエースへ続くトヨタが生み出したミニバンの歴史を辿る (3/3ページ)

アルファードの派生モデルも登場し不動の地位を築く

 レジャーカーとして1ジャンルを築いたワンボックスカー。バブル真っ只中の1989年に登場した4代目ハイエースは、ワゴンモデルに豪華装備の高級グレードを用意。室内もフルフラットモードや回転対座モードを備えるなどレジャー向け装備を満載した。価格も300万円を大きく超えるものまで用意された。

 5代目が登場するのは2004年。フロントノーズはきわめて短く、ワンボックスカーのフォルムと言っていい。しかし、先の衝突安全性面はどうなったのか。確かに1990年代は、グランビアのように明確なノーズがないと衝突安全性を確保するのは困難だった。だがそこから技術が進歩し、5代目ハイエースの頃には、ほぼワンボックスのフォルムでも衝突安全性が確保できるようになっていたのだ。

 だが状況は変わった。ミニバンブームと言われ、日本でミニバンはすっかり市民権を得ていた。アルファードは高級ミニバン市場を席巻するほど大ヒットしていた。

 そこで5代目ハイエースは、高級車部門をアルファードに任せ、ビジネスユース向けの実用車に徹した。ワゴンは10人乗りのみの設定に留め、多様な商用バンを展開。そんな5代目ハイエースはトヨタの隠れたベストセラーへと成長する。ビジネスユースだけでなく、キャンプなどで使用する大型レジャー用品、オフロードバイクなども積載でき、幅広いユーザー層から人気を得ることに成功した。積載性に加え優れた耐久性も魅力のひとつだ。

 プレミアムミニバン市場で大成功を収めたアルファードだが、モデルチェンジの際、トヨタはまたしても攻めに転じる。アルファードにはトヨペット店扱いの「G」と、ビスタ店(2004年からはネッツ店)扱いの「V」があったが、フルモデルチェンジを機に、Vを別の独立した車種に変更したのだった。それが2008年に登場したヴェルファイアである。

 中身は2代目アルファードと同じだが、上下2分割ライトなどアルファードと明確に差別化された。室内も豪華絢爛で、ヴェルファイアはアルファードをしのぐほどの人気を獲得。攻めは大成功だった。2011年のマイナーチェンジでは、ハイブリッドモデルが登場。人気に拍車をかけた。

2004年 ハイエース(5代目)

原点回帰した質実剛健な実用車でトヨタの隠れたベストセラー

 15年ぶりのフルモデルチェンジ。高級感などはアルファードに任せ、実用車として原点回帰した。多様なバンを主力に10人乗りのワゴンも設定。高い積載性と耐久性が人気で隠れたベストセラーカーだ。

2008年 ヴェルファイア(初代)

アルファードから独立しアグレッシブスタイルで人気モデルに

 アルファードのフルモデルチェンジでネッツ店扱いの「V」を差別化、新車名が与えられた。上下2分割ライトなど、外観もアルファードと異なる。アルファード以上の人気を獲得する。

2011年 ヴェルファイアハイブリッド

 マイナーチェンジを機にアルファードとともにハイブリッドを設定。やはり電気式4WDで、JC08モード燃費は最高で17km/L

2012年 ヴェルファイアG’s

大型ミニバンでもスポーツできる!

 トヨタの展開していたスポーツコンバージョンがG Sports(G’s。現GR SPORT)。2012年にはヴェルファイア&アルファードにも設定。専用サスで車高30mmダウン、スポット溶接を増やすなどボディまで手の入ったコンプリートモデル。


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