カローラでさえ若者! 驚くべき日本車のご長寿ランキングTOP5 (2/2ページ)

スポーツセダンやクロカン4WDは初代から一貫したキャラを保つ

第3位 日産スカイライン(since 1957)

 フェアレディZと同様に、日産のスポーツセダンとして看板モデルといえる「スカイライン」の初代モデルが誕生したのは1957年。現行型では13代目となるが、その歴史のすべてが日産によるものではない。誕生からしばらくは企業合併に翻弄されたモデルである。1957年の初代誕生時のメーカーは富士精密工業。1961年にプリンス自動車工業と社名が変わり、1963年には2代目スカイラインが生まれている。

 その3年後、1966年にはプリンス自動車が日産自動車に吸収合併されたことで、ニッサン・プリンス・スカイラインととなり、1968年にデビューした3代目において日産スカイラインとして落ち着いた。また、その歴史においてはボディサイズの縮小が行なわれたことがあったりと、ラインアップにおけるポジショニングが落ち着かなかった部分もあるが、スポーツセダンという一点においては初代から一貫したキャラクターとしてスカイラインの名前を磨き続けている。

第2位 トヨタ・クラウン(since 1955)

 国産の乗用車として見ると、実質的にもっとも歴史がある名前といえるのが、トヨタ・クラウンだ。1955年にデビューした初代モデルは設計思想を含めて純国産高級車として、日本車のひとつの起点となった。初代では観音開きのドアを採用していたことも印象深い。その後、日本がバブル景気に沸いていた1980年代には「いつかはクラウン」のキャッチコピーが一世を風靡。クラウンは最後に辿り着く、目標となる高級車というキャラクターを明確にした。このキャッチコピーによるブランディングは、トヨタ自体の価値にもつながったといえる。

 クラウンはほぼ国内専用車でありながら、継続して開発・生産されている。2018年にフルモデルチェンジした現行15代目モデルは、レクサスLSなどと基本的に同じアーキテクチャであるGA-Lプラットフォームを日本の状況に合わせて最適化したもので、そうした贅沢が許されるのも「クラウン」というビッグネームだからこそだ。

第1位 トヨタ・ランドクルーザー(since 1954)

 クラウンよりも歴史のある、国産車でもっとも長寿の車名。それが「ランクル」の愛称で親しまれている「ランドクルーザー」だ。1951年にトヨタ・ジープBJ型として生まれた四輪駆動車をルーツに持つ。ジープという呼び名は、軍用4WDを指す一般名詞という認識からトヨタ・ジープという名前だったが、当然ながらジープという商標を有している企業がアメリカにあるわけで、1954年に「ランドクルーザー」として改名したのが、そのスタートである。

 もともと業務用として誕生したこともあり、幌ボディが基本であったが、1959年にはステーションワゴンボディが誕生。現在のランドクルーザーにつながっている。走破性や耐久性で圧倒的な支持を集めているのは、ご存じのとおり。国内でランドクルーザーというとV8エンジンを積んだステーションワゴンタイプを指し、4気筒ディーゼルを中心としたランドクルーザープラドは別モデルとして認識されている部分もあるが、いずれにしてもランクル・ファミリーであることは間違いない。

番外 日産パトロール(since 1951)

 国内では販売していないので番外編としたが、国産ブランドのモデルとしてもっとも歴史が長い車名を持っているのは日産パトロールであろう。国内では過去に「サファリ」という名前で販売されたこともある、奇しくもランドクルーザーのガチライバルといえる高級クロカン4WDモデルだ。

 1951年に生まれた初代モデルは、ランクル同様にいわゆるジープタイプと呼ばれる幌ボディのクロカン4WDで、警察車両などの用途をメインに考えたものだった。その「パトロール」という名前はグローバルモデルとしては健在、現在でも中東などを中心に販売されている。最新モデルのエンジンラインアップは400馬力のV8エンジンを筆頭にしたもので、7速ATや可変4WDシステムと組み合わされたパワートレインとなっている。

 参考リンク:中東日産パトロールWEBページ

https://www.nissan-me.com/vehicles/new/patrol.html


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

愛車
スズキ・エブリイバン(DA17V・4型)/ホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SP(SC82)
趣味
モトブログを作ること
好きな有名人
菅麻貴子(作詞家)

新着情報