圧倒的に「楽しい」のは確実! だが「見た目」に反して「遅かった」クルマ4選 (1/2ページ)

速くなくても走る楽しさが感じられるモデル!

 スポーツモデル、スポーツカー、スーパーカーは「速い!」というのがその第一条件のように考える人も多いだろう。しかしその種のクルマであっても「大して速くない、むしろ遅い」というクルマもある。そうしたモデルをピックアップしていこう。

1)マツダ・ロードスター(初代)

 初代ロードスターは1980年代に入って絶滅状態となっていたライトウエイトオープン2シーターというジャンルを「当時(1989年)の技術でもう一度蘇らせよう」というコンセプトで生まれたモデルである。初代ロードスターは運転する楽しさの実現のためFR、四輪ダブルウイッシュボーンサスペンションといったコストの掛かるメカニズムを使いながら、「価格は誰もが買える200万円程度に抑える」というコンセプトも絶対だった。

 そのため、エンジンは当時のファミリアなどに搭載されていた1.6リッターDOHCをベースにしたものだったこともあり、車重こそ1トンを大きく下まわる軽さだったが、絶対的な速さは当時のホンダ・シビックやトヨタ・カローラレビン&スプリンタートレノのスポーツモデルにとても敵わなかった。

 しかし初代ロードスターは競争しない限り「笑顔が止まらない」ほど運転して楽しいクルマで、これだけでスポーツカーの条件は満たしていた。さらに初代ロードスターはシンプルなだけに持久力、耐久力が高く、タイヤ代に代表されるランニングコストも安く、速くすることも含めたチューニングもしやすいというクルマだけに、未だに根強い人気を保っている。

2)ホンダ・ビート

 ビートはミッドシップの軽オープンスポーツ2シーターとして1991年に登場した。成り立ちを見ると速そうだが、ビートのエンジンはNAだったため最高出力こそ高回転化により軽の自主規制一杯の64馬力だが、トルクはターボ車に遠く及ばない上に、ミッドシップのオープンのため車重も重く、速さでは直接的なライバルのスズキ・カプチーノどころか、当時のスズキ・アルトワークスなどの軽のスポーツモデルにも完敗だった。

 その代わりビートには「非力なエンジンを日常でも目一杯回せる」という楽しさもあり、これはこれでスポーツカーに相応しい楽しさを持っており、人気は未だ衰えず、中古車は高値安定だ。またビートの現代版的な存在となるホンダS660もビートほどではないにせよ「大して速くないけど楽しい」というDNAを引き継いでいる。


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