なんでミニバンやSUVで勝負しない? SUBARUが不人気ジャンルの「ワゴン」に「入魂」するワケ (2/2ページ)

ワゴンの魅力を高め続けてきた結果、唯一生き残った貴重な存在だ

 SUBARUがいまだに売れるワゴンを生み出し続けられる理由のひとつは、歴史や伝統が醸成したブランド力だろう。SUBARUは1989年登場の初代レガシィで「ツーリングワゴン」というジャンルを新たに切り開き、280馬力化などで空前の大人気を博した2代目モデル以降、国産スポーツワゴンの一人勝ち状態を長らく続け、結果として唯一生き残った。ライバルが居なくなった今、ステーションワゴンは、昔とは違う意味でSUVやミニバンとは異なる価値観を演出できるクールな存在として際立っているように思う。

 また、SUBARUはレガシィ時代から「ツーリングワゴンのニューモデルに最先端技術を優先的に盛り込む」姿勢を継続していることも、ワゴンの魅力を維持できている理由のひとつといえる。今回の新型レヴォーグでも先進の運転支援システム「アイサイトX」がデビューしたなど、話題性が高まりやすい飛び道具を常にワゴンに搭載してデビューさせてきた。「ぶつからないクルマ」でブレイクしたアイサイトVer.2も、5代目レガシィの上級グレードからの展開だった。

 レガシィ以前のレオーネの時代から実直に続けてきた「業務用版ではないワゴン」づくりで他社にはない個性や存在感を打ち出すことに成功しているので、今の段階で消耗戦市場のミニバン市場に参入するのは得策ではないとの経営判断もあるはず。SUBARU以外のメーカーとしても、逆に今さらステーションワゴン市場で大きなシェアを獲得することは見込めないので、今後も国産スポーツワゴンはSUBARUの一人勝ち状態が続くと予想できる。


マリオ高野 MARIO TAKANO

SUBARU BRZ GT300公式応援団長(2013年~)

愛車
初代インプレッサWRX(新車から28年目)/先代インプレッサG4 1.6i 5速MT(新車から8年目)/新型BRZ Rグレード 6速MT
趣味
茶道(裏千家)、熱帯魚飼育(キャリア40年)、筋トレ(デッドリフトMAX200kg)
好きな有名人
長渕 剛 、清原和博

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