もはや「別グルマ」なみの変貌ぶり! でもじつは「マイナーチェンジ」だった衝撃の国産車5選 (1/2ページ)

今ではおなじみのデザインもマイナーチェンジ後のものだった!

 多くの市販車は生み出されてからそのまま販売され続けるということは、ほとんどない。折を見て商品改良をすることで、つねに商品性を高めようとしている。そうしなければ競争の厳しいなかで生き残ることができないからだ。そうした商品改良のなかでも大がかりなものを「マイナーチェンジ」と呼び、さらにそのなかで大きく変わったときには「ビッグマイナー」などと呼んだりする。余談だが、アルファベット表記でマイナーチェンジのことを『MMC』と記すこともあるが、これは「マイナーモデルチェンジ」の略称だ。

 それはさておき、マイナーチェンジでガラリとイメージチェンジすることがある。多くの場合で、その理由としては「売れていないのでイメチェンしたい」だとか「モデルライフが長くなってきたのでリフレッシュしたい」といった狙いがある。そのために、もっともポピュラーな手法が顔を変えてしまうもので、「フェイスリフト」などと表現されることもある。

1)ホンダ・インテグラ(3代目)

 フェイスリフトで大胆なまでに変身したクルマというのはこれまでも少なくないが、キャラクターを一気に変えてしまったモデルとして今も記憶に残るのが、ホンダの3代目インテグラだ。1993年のデビュー時にはプロジェクターヘッドライトを並べた4灯かつグリルレスのマスクは北米ウケを狙ったもので、スペシャリティ的なテイストで実際その方向で人気モデルとなったが、日本ではそれほど注目されていなかった。

 そんなインテグラが一気にイメチェンしたのが1995年、ヘッドライトは横長のオーソドックスな形状となり、小ぶりながらアッパーグリルも与えられた。もっとも、このフェイスリフトと同時に、「タイプR」が追加されたことが日本ではインテグラのイメージを変えた。ここから一気に「インテグラといえばタイプR」という時代となり、3ドアはDC2、4ドアはDB8という型式がおなじみになっていく。結果として2001年まで生産されるロングセラーモデルとなった。

2)スバル・インプレッサ(2代目)

 ジャパニーズスポーツカーの華やかなりし20世紀の最後にスバルが登場させたのが2代目インプレッサだ。初代モデルはWRCで活躍したことで強烈なスポーツイメージを持っていたインプレッサだが、2000年に誕生した2代目ではどこかキュートな丸目の顔に生まれ変わっていた。もともとインプレッサには、本質的に1.5リッタークラスのFWDというマーケットの本流を狙うという使命が与えられていたことを考えると、後に『丸目』と呼ばれるフロントマスクはけっして間違ってはいない判断といえるが、WRXというグレードに象徴されるインプレッサのスポーツイメージとはかけ離れていたのも事実。

 はやくも2002年のマイナーチェンジでは『涙目』と呼ばれるまったく新しいフロントマスクへと変身している。通常のMMCではヘッドライトとバンパーといった樹脂パーツだけの新造になることが多いが、このときはボンネットまで新しくなっているほどで、まったく違うイメージになった。

 さらに2005年には通称『鷹目』と呼ばれるシャープなヘッドライト形状に変身、インプレッサらしいスポーツイメージを手に入れることになった。

  


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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スズキ・エブリイバン(DA17V・4型)/ホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SP(SC82)
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