もはや「別グルマ」なみの変貌ぶり! でもじつは「マイナーチェンジ」だった衝撃の国産車5選 (2/2ページ)

モデルライフの長寿化が大幅なフェイスリフトにつながっている

3)三菱デリカD:5(現行型)

 さて、モデルライフが長くなってくると新鮮味を維持するために大幅なフェイスリフトが必要になってくるものだが、その意味では三菱自動車の超ロングセラーモデル「デリカD:5」が2019年に実施したMMCはインパクトが大きかった。デリカD:5 のデビューは2007年で、2012年にクリーンディーゼルエンジンを追加設定するといったトピックスはあったものの、大筋ではスタイルもメカニズムも変えることなく、しかしSUVとミニバンのクロスオーバーモデルとして独自の存在感を放っていた。

 とはいえ、さすがに10年を超えると新鮮味もなくなってきたのも事実。そこで2019年1月に実施されたマイナーチェンジでは、同社の新世代デザインである『ダイナミックシールド』に大変身。ヘッドライトはLEDを組み合わせたマルチタイプとなり、一気にリフレッシュした。さらにディーゼルエンジンに組み合わされるトランスミッションは8速ATとなるなどメカニズムも進化していた。

 これほど変わったのであればフルモデルチェンジといっても差し支えないとも感じたが、じつはガソリンエンジン車はフェイスリフトをせずに継続生産されているなど、ディーゼルだけの進化だったりした。なお、ガソリンエンジン車は2019年秋に生産休止となった。さらに、これまでデリカD:5 を生産してきた三菱自動車の子会社であるパジェロ製造の工場閉鎖が決まっている。ただし、デリカD:5 については岡崎工場に生産移管されるということなので、ファンにとってはひと安心だ。

4)三菱ミラージュ(現行型)

 三菱自動車といえば、どうしても日本市場でのシェアが広がらない状況で、なかなかフルモデルチェンジのタイミングが伸びがちな傾向にある。エントリーモデルである「ミラージュ」も、そのデビューは2012年とロングセラーとなっている。デビュー当時はグリルレスに近いプレーンな顔つきのベーシックカーといった風情で、フロントベイには3気筒1.0リッターエンジンを積んでいた。

 それが2014年には1.2リッターエンジンを追加、2016年にはメッキグリルを与え、さらにボンネット形状も変えることでゴージャスな雰囲気へとフェイスリフトした。そして、2020年になって『ダイナミックシールド』顔に大変身するというマイナーチェンジを実施。あまりの変わりぶりにフルモデルチェンジと感じてしまうが、デビュー当時の面影を色濃く残すテールレンズの形状を見ると、たしかにマイナーチェンジであることが確認できる。

5)レクサスIS(現行型)

 最後に紹介するのは間もなくモデルチェンジを果たすレクサスISだ。すでにティザー的にモデルチェンジ後のエクステリアは公開されているが、なぜこれがマイナーチェンジと発表されているのか不思議になるくらい変わっている。

 はっきりいって外板パネルで従来モデルと同じ形状なのはAピラーくらいで、フロントも別物になっているし、特徴的な形状のトランクリッドなどはフルモデルチェンジといってもおかしくないほどイメージを変えているのだ。たしかにインテリアはキャリーオーバーであるし、パワートレイン系も新世代とはなっていないため、マイナーチェンジと呼ぶのは不思議ではないのだが。それにしても2013年にデビューした現行ISは、今回のビッグマイナーによって3~5年は寿命を延ばしたことは間違いなく、10年選手になることは確実である。

 いま世界では、近い将来にエンジン車の販売禁止を実施すると発表している国や地域が増えている。そうなるとエンジン車の開発に予算を割くのは得策ではなく、ゼロエミッションビークルにリソースを振り分けたい。そうした状況を考えると、これからもエンジン車についてはビッグマイナーチェンジによりリフレッシュして商品性を高めるといった手法が増えていくだろう。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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スズキ・エブリイバン(DA17V・4型)/ホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SP(SC82)
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